いくら裕福でも「自分は貧乏」…お金にとりつかれるアメリカ人増加 元凶はSNS?

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◆ソーシャルメディアが元凶? 他人の富がプレッシャー
 長引く高インフレと不安定な状況が、多くの消費者の購買力と自信を削いでいるが、ソーシャルメディアの影響も大きいとCNBCは述べる。EFEのディレクターによれば、自分の経済状況について悪いと考えていることと、ソーシャルメディアに費やす時間の長さとの間に、実に強い関連性があることがわかったという。

 ブルームバーグのコラムニスト、エリン・ローリー氏は、高級消費財を見せびらかし、ファーストクラスで高級な観光地に行き、予約の取りにくいレストランで食事をする人々の姿がソーシャルメディアに映し出されることが、マネー・ディスモーフィアに拍車をかけているとする。若い消費者の周りではこうしたコンテンツが氾濫しているし、大都市ではブランドもののバッグや衣類、宝飾品などの富を誇示する人が、毎日の生活のなかに入り込んでくると述べている。

 隣人について行かねばというプレッシャーから、休暇や家の改築、高級品などにお金を使い過ぎる人もいるという。EFEの調査では、およそ4分の1の消費者が、ソーシャルメディアのせいで、自分の持っているお金の額に満足できないとより感じるようになったとしている。

◆計画なくして金持ちにはなれず 根本的解決策とは?
 Z世代とミレニアル世代は、常に不安な状態にいるよりも、どの程度のお金があれば安心して眠れるかを計算し、地に足をつけるべきだとローリー氏は主張。「金持ちになりたい」のような漠然とした目標に固執するより、数字を書き出し、タイムラインを設定したほうが良いとする。さらにより根本的な解決策として、不当な不安を掻き立てるソーシャルメディアに目を向けるのをやめてしまうことを挙げている。

 認定ファイナンシャル・プランナーのキャロリン・マクラナハン氏は、自分を成功者のように見せかけなければならず、そのためには高価な時計や車を持たなければならないという認識は間違いだと指摘。やるべきことは自分が幸せであるかを確認することで、物は人を幸せにはしてくれないと述べている。(CNBC)

Text by 山川 真智子