接種開始の“オミクロン対応”ワクチンは「BA.1」対応 流行の「BA.5」への効果も期待

ファイザーの新ワクチン|Pfizer via AP

◆現在世界で最も優勢なのはBA.5系統
 オミクロン株にはさまざまな系統が生まれているが、BA.5系統は当初のBA.1系統やその後広がったBA.2系統を凌駕し現在最も広がっている。アメリカでは約90%をBA.5系統が占め、フランスやイギリス、ドイツでもBA.5系統が90%以上を占める。さらにBA.5系統のなかでもBA.5.2とBA.5.2.1が増加傾向にある。

 BA.5系統の優勢傾向と、これから冬を迎えることを考えると、欧米での起源株・BA.4、BA.5の2価ワクチンの承認は大きな意味を持つものだ。

◆BA.1系統が流行している国はない
 欧米以外でも傾向は同じで、わずかに台湾、トルコ、インド、ウクライナでBA.2系統が大半を占めることと、チリでBA.4系統が流行っていることを除き、世界のほとんどの国で優勢なのはオミクロン株BA.5系統だ。BA.1系統が優勢な国は見られない。(東京都健康安全研究センター、9/12)

 とはいえ、日本で接種が始まる起源株・BA.1の2価ワクチンについても、BA.5系統への効果が皆無なわけではなく、英国政府(8/15)は「オミクロンのサブバリアントBA.4およびBA.5に対しても良好な免疫応答を生成する」と記している。

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Text by 冠ゆき