接種開始の“オミクロン対応”ワクチンは「BA.1」対応 流行の「BA.5」への効果も期待

ファイザーの新ワクチン|Pfizer via AP

 厚生労働省は9月12日、ファイザーおよびモデルナのオミクロン株対応2価ワクチンについて国内での使用を承認した。来週から接種が開始される予定た。だがこの2価ワクチンは、欧米で承認されたものとまったく同じではない。

◆オミクロン株BA.1にとくに有効なワクチン
 日本に先立ち、欧米では8月から2価ワクチンの承認が順次進んでいる。イギリスは8月15日にモデルナの2価ワクチンを承認した。これは、中国・武漢由来の従来株に加えてオミクロン株BA.1にとくに効果を持つものだ。続いて、カナダもモデルナの従来株・BA.1対応の2価ワクチンを9月1日に承認。欧州医薬品庁(EMA)も同日、モデルナとファイザー・ビオンテックの従来株・BA.1対応の2価ワクチンを承認した。

 これらの2価ワクチンは、いずれも日本で承認されたものと同じだ。

◆BA.4、BA.5にとくに有効なワクチン
 一方、米食品医薬品局(FDA)が8月31日に承認したファイザーとモデルナの2価ワクチンは、日本で現在承認されているものとは異なる。これは、従来株に加えて、オミクロン株のBA.4系統とBA.5系統にとくに有効だとされるワクチンだ。アメリカに続き欧州医薬品庁も9月12日、ファイザーの起源株・BA.4、BA.5対応の2価ワクチンを急ぎ承認した。

Text by 冠ゆき