全米49州でマスク着用令撤廃へ 残るハワイ州の特殊事情

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 新型コロナウイルスのオミクロン株は、昨年南アフリカで最初に発見され、感染率が非常に高いことから、その後瞬く間に全世界を席巻した。ジョンズホプキンス大学のデータによると、アメリカでは今年1月10日が感染のピークで、1日の新規感染者が全国で136万8120人という驚異的な数字になった。2月28日現在ではそれが1日10万6018人まで減少しており、人口比では日本よりも少なくなっていて、ピークから減少が続いていることが伺える。

 それとともにワクチン接種数も順調に増加しており、5歳以下の子供にはまだ接種許可が下りていないものの、米疾病対策センター(CDC)によると、これまで全人口の64.9%が完全に接種を終えており、5歳以上で1回以上の接種を終えた人は81.2%、人口全体の43.7%が3回目のブースター接種もすでに受けている。数字を見ると、やはり感染者が激増し、同時にワクチン接種者も増えたことからウイルスの行き場がなくなり、予測通り急激な自然減少へと向かっているのだろう。

◆全米49州でマスク着用令撤廃へ
 感染者の減少とともに、全米各州ではここ最近、急に新型コロナウイルスに伴う数々の規制を撤廃するケースが増えている。NBCニュースによると、2月17日時点ですでに全米のほとんどの州で学校や室内を含むすべてのマスク着用令が撤廃されており、そこにはニューヨーク州など民主党州も含まれている。ニューヨーク・タイムズのマスクトラッカーによると、カリフォルニア州では2月15日に全体的なマスク着用令を撤廃した。学校でのマスク着用令は冬学期が終わる3月11日まで続くが、その後公立校が10日間の春休みに入ると同じタイミングで終了することになった。しかし人口の多いロサンゼルス郡ではまだマスク着用令が続くなど、郡ごとの判断となっている。

 NBCのマップによると、その時点でまだマスク着用令が続いていたイリノイ州、ワシントン州、オレゴン州、ニューメキシコ州、ハワイ州とワシントンDCでは、前出のニューヨーク・タイムズによると、同じく春休みが始まるタイミングで3月12日までに撤廃される。そのため、全米でまだマスク着用令が続き、撤廃のタイミングも現在のところ明らかでないのはハワイ州だけとなった。

Text by 川島 実佳