全米49州でマスク着用令撤廃へ 残るハワイ州の特殊事情

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◆マスク着用令が必要なハワイの特殊な事情
 ハワイ州保健衛生局の発表によると、同州の2月28日の新規感染者数は118人で、これは同州がピークを迎えた1月18日の5707人と比較すると50分の1以下の数字となり、他州と同様に順調に感染者が減少していることがわかる。

 3月1日付のホノルル・スターアドバタイザー(電子版)によると、ハワイ州政府は2月28日、集会人数などの規制をすべて撤廃したものの、州全体のマスク着用令はこのまま続行することを発表した。ハワイ州では学校や店舗・レストラン内、政府施設を含むあらゆる公共施設でマスク着用令が敷かれており、これがこのまま続行されることになる。

 しかし、ハワイ州には他州とは異なる事情があり、国内各州はもちろん、日本やカナダなどを含む世界各国からの観光客を毎日多く迎えている。また頻繁に国外に旅をする日本人や中国人など、外国人の住民も多いことから、ハワイ州ではそう簡単にマスク着用令を撤廃することはできないだろう。今後世界中からの観光客が戻って来て、それでも新規感染者が減少を続け、ゼロになる、あるいはそれに近くなったタイミングでマスク着用令が撤廃される可能性が高い。

 住民のなかでとくにマスク着用令に反対している人々は少数派で、現在のところは逆に、州政府がマスク着用令を続行していることで混乱が少なくなり、安心を感じる住民も多いだろう。筆者もその1人で、とりあえず現時点では、個人的には公共の場所でマスクを着用しないという選択肢はなく、またとくに人間同士の距離が近くなりがちな学校において、マスク着用令が続くことにも感謝している。

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Text by 川島 実佳