それでもワクチン接種したくないフランス人の理由 義務化、衛生パス導入に反対

ワクチン接種義務化に反対する医療従事者(パリ、14日)|Francois Mori / AP Photo

 フランスでは、9月15日から医療施設などで働く従業員のワクチン接種が義務となった。15日までに一回目のワクチン接種を済ませていない者は仕事を続けられなくなるという厳しい取り決めだ。これにより約1~2%が職場を離れることになると見積もられている。これらの人々は、いわゆる反ワクチン派なのだろうか?

◆対象者の1~2%は仕事ができなくなる見通し
 マクロン仏大統領は、7月12日のスピーチで、医療従事者らのワクチン接種義務化と、一部施設の衛生パス(ワクチンパスポート)による入場制限導入を発表した。今回の施行は、そのスピーチ内容を踏まえたものだ。ワクチン接種が義務とされる職業は、ル・モンド紙(9/15)によると、「公私の別なくすべての医療機関勤務者、医者、心理学者、看護士」と「医療施設で働くすべての職員」を含む。つまり「食堂勤務の職員や清掃や事務に携わるもの」も例外ではなく、「衛生、救急移送に関わる職業」「消防士、(中略)ホームヘルパー、医療分野の学生」も対象となる。およそ270万人が接種義務対象となるとみられている。

 フランス公衆衛生庁によれば、9月12日の時点で、独立業として医療に携わる者の94.6%、介護施設で働く人の89.3%が、少なくとも一回はワクチンを接種していた。届け出が遅れている人や、新型コロナ罹患によりワクチン接種が遅れている人などを考慮に入れると、介護施設側も大学病院側もそれぞれ「まったくワクチン接種をうけていないのは1~2%だろう」と見積もっている(20minutes紙、9/15)。

Text by 冠ゆき