ワクチン2回目、副反応が重くなる理由 体験して感じたこと

Jae C. Hong / AP Photo

 アメリカでは新型コロナワクチン接種率が全人口の40%を超えた。開始当初よりもスピードは落ちているものの、いまも着々と接種は進んでおり、12歳以下の接種が開始されるのも時間の問題となった。アメリカのワクチン展開成功の理由としては、予約システムが非常に簡単だったこと、そして病院や集団接種会場だけでなく、近所の薬局やスーパーマーケットなどでも気軽に接種が受けられることが大きいだろう。

 しかし、一部にはワクチン接種をかたくなに拒否する人々や、極右の陰謀説を信じて新型コロナウイルスの存在自体を否定する人々もいることから、任意で接種が進められている現況下では接種率が100%になる可能性はまずない。それでも、大多数の国民がワクチンを接種することで感染拡大を抑制できれば、いわゆる「集団免疫」を獲得できる可能性はある。

◆2回目接種で発熱や倦怠感
 アメリカにも日本にも、新型コロナにかかわらず、どんなワクチンでも接種を拒否する人々が存在する。新型コロナワクチンの場合、そのような人々以外に、「副反応が怖い」という理由で拒否または躊躇する人も多い。開発されたばかりの新しいワクチンであるから懸念を抱くのも無理はない。では、実際接種後にどのような副反応が起こるのだろうか?

 筆者は4月22日に1回目、5月22日に2回目の接種を終え、めでたく「接種完了者」統計の一部となった。しかし、腕の痛みと軽い倦怠感だけで済んだ1回目と異なり、2回目は副反応がやや重くなった。接種した日の夕方ごろから倦怠感が出てきて、夜になると37度程度の発熱があり(普段低体温のため37度でも高熱に感じる)、関節が痛んで、起き上がって動くことがつらくなった。翌日、熱は引いたものの、熱の後遺症からか頭痛があったため、市販のイブプロフェンを服用して休んだ。その後、翌々日になるとほぼ通常の体調に戻ったが、普段風邪もほとんど引かない筆者にとって、今回の経験は体へのストレスが思ったよりも大きかったと感じる。しかし、筆者の周りでは「1回目も2回目も、副反応はまったくなかった」(20代女性)、「1回目はなかったが2回目は軽い倦怠感があった」(70代女性)などさまざまなリアクションがあり、個人差が大きいと言うしかない。いずれにしても、周りで副反応がかなり重かったという人はアメリカ人、日本人、またはそのほかの人々にもいなかった。

 米疾病対策センター(CDC)によると、新型コロナワクチンの一般的な副反応は「倦怠感、頭痛、筋肉痛、悪寒、発熱、吐き気」と記載されている。どうやら、筆者の反応はごく典型的なものだったらしい。
 

Text by 川島 実佳