火炎放射ドローンでハチの巣を一網打尽 中国で駆除作戦

Blue Sky Rescue of Zhong County via AP

 ドローンに火炎放射器を搭載し、上空からハチの巣を丸ごと焼却。そんな大胆な駆除作戦が、中国・重慶市にほど近い忠(ぞん)県で敢行された。ドローンという最新技術に危険な火器を組み合わせた恐れ知らずのミッションだ。

◆上空で火を噴く新兵器
 ハチの巣問題に悩む忠県では現在、100以上の巣を一掃する大規模な作戦が進行中だ。このプロジェクトは、ボランティア団体「ブルースカイ・レスキュー」の支援のもとで行われている。同団体は普段から救難活動や非常時の支援活動などを展開しており、今回は忠県の村人と共同で凶暴なハチの巣に対処することとなった。

 通常ならば防護服を着た人間が薬剤を噴霧するなどして対応するところだが、ブルースカイ・レスキューの方法は予想を超えて大胆なものだった。8万元(約127万円)ほどの資金を調達すると、大型のドローンを購入し、そこへガソリンタンクとノズルを取りつけたのだ。こうして作られた手製の火炎放射ドローンは上空へと放たれ、高所の木の枝に営巣されたハチの巣へと向かった。巣の付近でホバリング体勢に入ると遠隔操作のオペレーターが点火ボタンを操作し、ノズルの先から放たれた炎がスーツケース大の巨大な巣を焼き尽くした。

ドローンを準備する作業員(12月10日)|Blue Sky Rescue of Zhong County via AP

 AP通信は地元公営テレビの報道を引用し、ハチの巣から灰が舞い散るのを見届けた住民たちがレスキューチームを拍手で称えた、と伝えている。チームはこれまでに11の巣を駆除しており、今後も100以上をせん滅する計画だ。

Text by 青葉やまと