コロナ陰謀論を唱える映画、仏で物議 規制と啓蒙で揺れるジャーナリズム

Michel Euler / AP Photo

 アメリカで始まったQアノンの陰謀論は、海を越えオーストラリアやブラジル、ヨーロッパにも入り込んでいる。こと欧州では、新型コロナに関わる陰謀論がプラスされ、そちらにフォーカスが移っている。フランスでは11月11日、フェイクニュースと陰謀論をちりばめた映画がネット公開されたが、各界から批判が殺到し配信の取りやめが相次いだ。だが、規制は、真の解決策と言えるのだろうか?

◆パンデミックの「真実」を暴く「ドキュメンタリー」?
 件の映画『ホールドアップ』は、クラウドファウンディングで集めた資金で製作された約3時間に及ぶ「ドキュメンタリー」だ。フランスアンフォ(11/13)によれば、同プロジェクトは異例の速さで20万ユーロを集めたという。監督はピエール・バルネリアス。9月にYouTubeで公開されたトレーラーの説明には「我々は(パンデミックが)明らかにした事実に、客観的で建設的な光を当てる火急の必要があると考える」と書かれている。一寸先は闇という状況に置かれた人々の期待は大きく、ル・モンド紙(11/12)によれば、11月12日の段階でトレーラーの閲覧数はすでに40万回を上回っていた。

 ところが蓋を開けてみると、「ドキュメンタリー」とは名ばかりのフェイクニュースと陰謀論に満ちた内容に、メディアはもとより各界から批判が殺到し、動画サイトのデイリーモーションもヴィメオも早々に配信を中止。同プロジェクトの資金を募ったクラウドファウンディングサイト、ウリュルも、当初の企画で知らされていた内容からかけ離れていることに驚き、映画の宣伝は一切行わず、受け取った手数料はすべて情報防衛協会に寄付すると決めた(フランスアンフォ、11/12)。

Text by 冠ゆき

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