感染源は他人ではなく顔見知り 米、パーティで感染拡大

Doral Chenoweth / The Columbus Dispatch via AP

 新型コロナウイルス感染者数世界一のアメリカでは、ニューヨーク州など一時の勢いが衰え、小康状態が続いている地域もあるが、全国的にみるとまだ感染収束の気配がはっきりと見られない。ジョンズ・ホプキンス大学の統計によると、日本時間の28日午後6時の時点で累計感染者数は586万9032人、死者数は18万844人。アメリカでは、国として明確な新型コロナウイルス対策が施されておらず、州や市など地方自治体の首長に任されている状態だ。

 多くの州ではアメリカ5月後半~6月頃から経済再開を開始したが、それと同時にまた急激に感染者が増加。その波は、筆者の居住するハワイ州にも遅まきながら7月に訪れた。それまで、ハワイでは少ない日は一桁台、多い日でも10数人程度の新規感染者数が2ヶ月ほど続いていたにもかかわらず、7月中旬から徐々に増加傾向に転じた。そして、7月下旬にそれまでの最高記録である59人を記録すると、その後8月上旬には感染者数が一気に3桁台に増加。現在も新規感染者が1日100~300人台の日々が続いている。

◆感染源に顔見知りが多い理由とは
 では、なぜ夏になり感染者が急増したのだろうか? アメリカでは6月上旬、警官による黒人男性ジョージ・フロイドさん殺害に抗議する大規模なデモが全国的に展開されたが、どうも感染源はマスクを着けた「他人」が大勢集まるデモではないらしい。ナショナル・パブリック・ラジオ(NPR)によると、感染源は友人や親族など、親しい人々や顔見知りが集まるパーティーが多いという。

 同記事に登場した西部ワシントン州ワッコム郡保健局当局者によると、同郡で6月上旬に行われた100~150人規模のパーティーで14人の感染者が発生。その感染者が職場で感染を拡大させてさらに15人の二次感染者が発生した。結果として、一つのパーティーから29人に感染が広がったことになる。同当局者は、「出席する人がマスクを着けていないソーシャルなイベントや集まりが感染のおもな原因であることがわかってきた」と話している。同州で今年4月に感染拡大が発生した際はシニア向け長期ケア施設でのクラスターが主だったが、同当局者によると、現在は新規感染者の3人に2人が29歳以下の若年層だという。同記事によると、感染者が若い場合は症状が軽いことが多いため、そのまま人に会ったり仕事に行ったりするなどして二次感染が広がる可能性が高いという。

Text by 川島 実佳

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