高層マンションから降るゴミ、中国で問題に 豆腐、犬糞、自転車も

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 高層集合住宅が立ち並ぶ中国の都市部では、上階から落ちてきたゴミが地上の人や物に被害を与える事故が相次いでいる。些細なゴミから、直撃すれば死者も出しかねない重量級の日用品まで、さまざまな「ポイ捨て」や「投げ捨て」が報告されており、その法的責任が問題となっている。

◆空からゴミ? 落下による被害深刻
 ウォールストリート・ジャーナル紙(WSJ)によれば、中国ではカップ麺の容器、食材、洗面器など、あらゆるものが高層住宅からポイ捨てされていると、国営メディアやソーシャルメディア上で紹介されている。黒竜江省佳木斯(ジャムス)では、空から降ってきた豆腐が車のフロントガラスを直撃し、クモの巣状のひび割れが入るという驚きの被害も出ている。豆腐は33階建ての超高層住宅の上階から投下されたらしい。

 中国情報サイト『インクトーン』によれば、上海の28階建ての集合住宅街の下を散歩していた人の肩の上を犬の糞が直撃した。すぐ上空を見上げると、糞のついたティッシュがひらひらと落ちてきたという。この被害者はまだ幸運なほうで、最近は自転車、ベビーカー、調理包丁などが落下するという事件も報告されているという。WSJによれば、落下してきた食べかけの鶏の手羽元による負傷者も出ている。また、落下物と人とのニアミスも頻繁に起きているということだ。

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Text by 山川 真智子