警察「解体」に成功した都市も 米で高まる警察改革求める声

April Saul via AP

◆警察解体で犯罪率が半減した都市とは
 CBSニュースによると、ジョージ・フロイドさんの事件が起こったミネアポリスでは、すでに市議会が警察を解体するための投票を行うと発表している。同市議会のリサ・ベンダー議長はツイッターで、「私たちはミネアポリス警察を解体して、公衆の安全のための新しいモデルとなる変革的な警察を再編成する」と述べた。

 アメリカには実際警察をいったん解体して再編成した自治体も存在する。CNNによると、東部ニュージャージー州の都市で、以前犯罪率が非常に高かったカムデンでは、2012年に腐敗が進んでいて改革が不可能とされた同市警察を完全に解体して2013年に再編成した。記事によると、人口7万5000人ほどの小都市であるにもかかわらず、警察解体と再編成の前、同市の犯罪率は全米で最も高かったというが、その後7年間で暴力的犯罪は42%低下。犯罪率は1000人につき79人から44人と、およそ半数近くに減少した。同市警察は以前、住民に恐れられていた存在だったが、いまでは住宅地でBBQパーティーを開催したり、武力行使の前に問題解決を図ったりするなどしてコミュニティとの繋がりを重視しているという。

 人口も人種編成も異なるが、今後解体・再編成が実際に行われた場合、ミネアポリス警察はカムデン警察の例から学ぶことは多い。ミネアポリス警察にとっては警察のイメージを回復し、市民の信頼を取り戻すための大きなチャンスとなるはずだ。

Text by 川島 実佳