「延期難しい」東京五輪、新型肺炎次第で中止も IOC委員が見解

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 新型コロナウイルスの感染拡大に伴い、この夏の東京五輪開催を危ぶむ声が聞かれる。IOC(国際オリンピック委員会)のディック・パウンド委員は、開催するかどうかの判断は5月下旬まで待つという考えを示したが、感染収束のめどが立たなければ、幻のオリンピックとなる可能性も出てきた。

◆準備は最終段階 五輪中止は過去1回のみ
 東京五輪は大丈夫なのかというAP通信のインタビューに対し、パウンド氏は、現時点では予定通り開催されるとし、すでにさまざまな開催に向けての準備が最終段階に入っていると述べた。7月24日から始まるオリンピックに出場する1万1000人の選手と8月25日から始まるパラリンピックに出場する4400人の選手に対してもトレーニングを続けることを求めている。ただし、IOCはWHO(世界保健機構)の助言に基づき動くとも述べ、予定通りに東京で開催できない場合は、今年の五輪は中止になるだろうと話している。

 近代五輪は1896年から始まったが、戦争のため中止された1940年の東京大会以外に中止の例はない。ジカ熱の発生した2016年のブラジル大会も予定通り開催されている。

Text by 山川 真智子