バイセクシャルとは違う「パンセクシャル」とは? 有名人のカミングアウトで浸透中

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◆一つの性的指向として
 アメリカの非営利組織ヒューマン・ライツ・キャンペーンによる2018年の報告では、LGBTQ+の10代の14%が自身をパンセクシャルであると考えている。これは、2012年の同様のレポートよりもはるかに高くなっており、パンセクシャリティがますます一般的になっていることを示唆している。しかし現在、アメリカの全人口の何パーセントが特定されるかの決定的なデータはない(シェイプ誌)。

 もし性的または恋愛の関係上で複数の性別の相手に魅力を感じるからといって、自分自身がパンセクシャルであると考える必要はない。そのアイデンティティが自分にとって正しいと感じる(または最も正しいと感じる)場合のみ、パンセクシャルとして自分自身を定義すればよい。いままで自分でも気づいていなかったり、理解しきれていなかったことについて適切な用語を使うこと、またはフレームワークを持つことでいままでの苦しみから解放される人たちも多く存在する。「私のセラピーとパン・クィア・バイなどに関わる研究の両方で、定義をすることと適切な言葉を使うことがコミュニティにつながり、寂しさを減らし、情報を見つけやすくし、人とのつながりを高めることができるとよく聞く」とモズレー博士は話す(同上)。

 さらにモズレー博士は、自分がパンセクシャルかもしれないと感じる人は、まず第一歩として、自分自身の性同一性、性別表現、性別とともに、感情的や肉体的にどんな人やことに魅力を感じるかを考えることができるWebサイトでチェックしてみることを推薦している。

                                                                                                                 

◆オープンになるセレブリティたち
 マイリー・サイラス、ジャネール・モネイ、シーア、ブレンドン・ユーリーなどさまざまな有名人も、自分自身をパンセクシャルだとオープンに話している。女優のベラ・ソーンは、2016年にバイセクシャルだとカミングアウトしたが、ある人からパンセクシャルの意味の説明を受け、実は自分はパンセクシャルだと気がついた。そして2019年7月のインタビューでもオープンにそう答えている(『PopBuzz』)。また、カーラ・デルヴィーニュ出演のドラマ『カーニバル・ロウ』内でのキャラクターは、あまり喜ばれない新世界をナビゲートするパンセクシャル移民の妖精という役どころである。

 LGBTQ+の「+」にもあるように、LGBTQ以外もまだまだカテゴリーに分類することができない、自分がどこにも属しない人間だと感じている人はたくさんいる。パンセクシャリティもそのなかのひとつとして、自分に適切であると思える人の一つのカテゴリーとして存在し、その存在を知ることで救われる人のものであってもよい。また、そうでない人にとっても、さまざまな考えのひとつと捉え、広い考えをもつことができる。

Text by sayaka ishida