バイセクシャルとは違う「パンセクシャル」とは? 有名人のカミングアウトで浸透中

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 LGBTQの「B」である「バイセクシャル」という言葉を知っている人は多いのではないだろうか。「バイ」と省略形で呼ばれることが多く、簡単に定義すると、男性も女性もどちらも好きになる人のことを指す。日本ではまだオープンに話される機会は少ないが、徐々に色々なところで目にするようになった。似た言葉に「パンセクシャル」があるが、これは「バイセクシャル」とは少し違った定義が存在する。

◆パンセクシャリティとは
 パンセクシャリティ(pansexuality)はオムニセクシャリティ(omnisexuality)とも呼ばれ、相手の性別や性的指向に関係なく、恋愛感情や性的欲求を感じることである。バイセクシャルが両性愛、パンセクシャルは全性愛として区別される。つまり、男性も女性もどちらの性別の人を好きになるのではなく、男性・女性にかかわらず、その存在として相手のことを好きになることをいう。彼、彼女、彼ら、または「それ」や「あれ」であったとしても、性別や性質に影響されることなく存在自体を愛することである。

 性別、性、人種の研究者であるフロリダ大学の心理学准教授であるデラ・モズレー博士は、「パンセクシャリティ」という用語は長年にわたって使用されてきたが、近年になって「自分自身をパンセクシャルと認める有名人や著名人が増えてきているため、この用語の露出が増加している」と考えている(シェイプ誌)。

Text by sayaka ishida