プーチン体制のほころび? 記者逮捕、政府に不都合だったタイミング

Dmitry Serebryakov / AP Photo

 麻薬密売の疑いでモスクワ市警察に逮捕されたジャーナリスト、イワン・ゴルノフ記者が証拠不十分で釈放された。冤罪であることを確信したジャーナリストたちが団結して抗議活動を行ったことで事件が注目を浴びたため、政府が異例の幕引きを図ったと見られている。

◆あり得ない! 仲間の逮捕に冤罪を確信
 ゴルノフ氏は、ロシアのニュースサイト「メドゥーザ」の記者だ。編集者としてともに仕事をしたことのあるブルームバーグのオピニオン・コラムニスト、レオニード・ベルシドスキー氏は、ゴルノフ記者はモスクワのジャーナリスト界隈でしか知られておらず、とても今回のような大ニュースの中心人物になるようなタイプではないと述べる。外見は地味だが、調査報道では卓越した能力を発揮しており、国内の隠れた闇を淡々と掘り出し分析する記事で、記者仲間からも非常にリスペクトされているという。

                                                                                                                 

 そんなゴルノフ記者が逮捕されたと知って、彼を知る人々は冤罪を確信したという。ベルシドスキー氏は、ゴルノフ記者は薬物どころか酒も飲まないと話し、警察が同記者のアパートから見つけたという白い粉は、仕込まれたものに違いないと思ったと述べている。

 ガーディアン紙に寄稿したメドゥーザの編集者、アレクセイ・コバレフ氏も、警察は押収品の写真をリークしたが、撮られた場所はゴルノフ記者のアパートではなく、写真に写っていた化学式を書いた附箋の筆跡も、同記者のものではなかったと断言している。コバレフ氏によれば、ゴルノフ記者はモスクワの葬儀産業の腐敗をテーマに執筆中だった。甘い汁を吸い、内容を報じられては困る高官らが、警察を動かし同記者の罪を捏造したとしている。

Text by 山川 真智子