韓国、犬食禁止を検討へ 市民の請願に大統領府「犬を家畜から外すよう法整備を」

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◆犬食賛成の韓国人減少
 ポシンタンなどの伝統料理に代表されるように1980年代以前の韓国では一般庶民の食べ物だった。しかし、88年ソウルオリンピックが近づくと、犬食が外国人に与えるイメージを憂慮した政府は、犬肉を使用した飲食店の営業行為を禁止するなどの措置を講じてきた。

 そのような経緯もあり現在は犬食に否定的な韓国国民が大半を占めている。2004年と2018年に行われた世論調査によれば、2004年には国民の89.5%が「(犬肉を使用した)ポシンタンの販売を禁止する必要はない」と回答していたが、2018年では、犬食に賛成する割合はわずか18.5%になっている。近年は韓国でも日本同様にペットブームに沸いており、「犬は長年人間と共存・進化してきたペット」とする社会的な認識に変化したということだ。

 しかし、犬肉を取り扱う国内業者は犬の屠殺を禁止する関連法規改正の動きに反発している。これまでも畜産農家と動物保護団体は犬肉禁止議論を巡って対立しており、食用犬の流通を急に停止させるのは困難だ。大統領府農漁業のチェ秘書官は「労働者の生計対策も考慮しなければならない。社会的議論に基づいて段階的に制度が改善されること期待する」と、犬肉農家に一定の配慮を示した(聯合ニュース)。

                                                                                                                 

◆インドネシアでも犬肉禁止の動き
 現在でも犬肉を食用としている国は実は多い。アジアでは世界最大の犬肉消費国である中国を筆頭に、北朝鮮、インドネシア、ベトナム、フィリピンのほか、スイスの一部地域などでも見られる。宗教や衛生面などの理由から、国が犬肉の流通・販売を禁止していても、法整備が行き届いていない地方市場では店頭に平然と陳列されていることも珍しくない。

 しかし、今回の韓国のように世界で犬食を禁止にしようする動きが広がっている。インドネシアでは動物保護連合「DMFI」(Dog Meat Free Indonesia)が8月、インドネシア政府から犬や猫の食用肉を禁止するとの約束を受けたと発表した。

 SNSの発達により独自の食文化が外国人にどのように見られているかを確かめやすくなったこともあり、犬食文化が残っている国でも、人と最も親しい動物である犬を食用とすることに嫌悪感を抱く人は増えている。犬肉はタンパク質が豊富に含まれ滋養強壮に良いとされるが、今後は規制する動きが加速しそうだ。

Text by 古久澤直樹