海への原油流出、企業の責任は? カリフォルニアで裁判

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 この漏出事故とは無関係の別の事故に関して、Southern California Gas社はロサンゼルス州検察との間で400万米ドルの和解金を支払うことに同意した。、同社は2015年10月に起きたアライソ渓谷にある天然ガスの貯蔵施設でガスが噴出した事故に関して、州当局に通報の義務を怠ったという1件の軽犯罪に対して不抗争の答弁を行っていた。

 Plains社の漏出事故の原因を調べた連邦政府の検査官によると、事故は腐食が進んでいたパイプラインが海岸から数マイル内陸の地点で破裂した際に起こった。

 パイプライン及び危険物の安全管理局(PHMSA)は、同社が予防可能であったいくつもの不具合を挙げ、同社がパイプラインの腐食を防ぐことができなかったことに加え、パイプラインの破裂が起こった初期の段階で異常を検知せず、対応が非常に遅れたことで原油が海に広がってしまったと指摘した。

 検査官の調べによると、1,000マイル(1,609キロメートル)以上も離れたテキサス州にあるPlains社の管制室で勤務していたオペレーターは、原油漏れを知らせていたであろうアラームを切ってしまい、大漏出が起こっていることに気づかずに一度止まったラインを再始動させたことで事態が悪化したという。

 Plains社による原油の流出量は、推定で142,000ガロン(537,000リットル)に達した。連邦規制当局による最終的な調査報告では、123,000ガロン(465,000リットル)となっている。検察はこの数字を140,000ガロン(530,000リットル)に上方修正している。

 メモリアル・デーの2週間前に起こったこの漏出事故により、ビーチとキャンプ場が2ヶ月間閉鎖され、地元の観光業と漁業に打撃を与えた。

 またこのパイプラインを利用し、エクソン・モービル社所有の3基を含む7基の海上石油掘削装置に原油が輸送されていた。漏出事故以降それらの装置も稼働しておらず、地元の石油産業に影響を及ぼしている。

 デンバーに拠点を置くVenoco社は、それらの装置を利用することができなかったことも原因の一つとなり昨年倒産を宣言した。州はVeneco社の石油貯蔵施設を5,800万米ドルの見積り費用で閉鎖および廃止する責任がある。その費用には、巨大な建造物の撤去にかかる最終的な費用は含まれていない。

 Plains社は、漏出事故のため失業した漁船の操舵者、石油産業の労働者、さらには海辺の地所の保有者からの集団訴訟に直面している。

 2017年の年次報告書では、Plains社は漏出事故によりかかった費用を3億3500万米ドルと見積もっている。これには収入減は含まれていない。同社は腐食したパイプラインの修理や再建への承認を求めている。

 また、同社は現在でも米国政府から規則違反の罰金を課される可能性があり、連邦検察官による取り調べも進行中である。

By BRIAN MELLEY, Associated Press
Translated by Y.Ishida

Text by AP