「コーヒーに発がんリスクの警告を」カリフォルニア州裁判所

Photo by Emre Gencer on Unsplash

 コーヒーが健康にいいか悪いかという問題について科学者は判断を下していないが、カリフォルニア州判事は違う――このほど、カリフォルニア州内のコーヒー販売業者に発がん性を警告する表示を義務付ける判決を下したのだ。

 コーヒー豆の焙煎工程で生じるアクリルアミドは、発がん性物質として知られる。この化学物質を巡って、小さなNPOと巨大なコーヒー業界の間で8年にわたり法的闘争が繰り広げられた。

 毒物教育研究協議会(Council for Education and Research on Toxics)は、(数年前に同団体がポテトチップス製造者を訴えてそうさせたように)製造工程からアクリルアミドを除去するか、物々しい警告表示で危険性を開示するようコーヒー業界に求めている。スターバックス率いるコーヒー業界は、コーヒーに含まれる化学物質の量は有害ではなく、リスクよりメリットの方がはるかに多いと主張している。

                                                                                                                 

 ロサンゼルス上位裁判所(Los Angeles Superior Court)判事エリュー・バール氏は、3月28日、コーヒー製造者は法廷で勝訴に足る適切な証拠を提示しなかったと述べた。

「コーヒーの摂取が胎児、乳幼児、未成年、成人へ害を及ぼす危険性を増加させるという証拠を原告が示したのに対し、被告側の医学および疫学の専門家は、因果関係について意見がないと証言した。被告は、コーヒーの摂取がヒトの健康に良い影響をもたらすという立証責任を果たさなかった」と、バール氏は判決案に記した。

 多種多様な製品から発がん性化学物質を選ぶという功績の一方で、早期合意の強要につながるとの批判のある、1986年にカリフォルニア州民投票で成立し物議を醸した法に基づき、スターバックスほか90社が提訴された。

 プロポジション65(Proposition 65)という通称で有名な安全飲料水及び有害物質施行法(The Safe Drinking Water and Toxic Enforcement Act)は、がんや出生異常を引き起こす約900種類の化学物質について警告表示を義務付けている。この法律によって、一般市民、権利擁護団体および代理人が国に代わり訴訟を起こすことが可能となり、警告を怠った民事罰則金の一部を徴収することができる。

「この訴訟はプロポジション65を蹂躙するものです。消費者を混乱させ、公衆衛生の改善に何ら貢献しません」と、全米コーヒー協会(National Coffee Association)の会長兼CEOウィリアム・マレー氏はコメントし、コーヒーは健康的な飲み物であることが証明されていると付け加えた。

 コーヒーに関する科学的証拠については長年にわたり議論されているが、いくつかの研究で健康効果が確認され、最近ではコーヒーの危険性への懸念は弱まっている。

 2016年、世界保健機関(World Health Organization: WHO)の外部組織である国際がん研究機関(International Agency for Research on Cancer: IARC)が、“発がん性がある可能性のある物質”リストからコーヒーを除外した。

Text by AP

Recommends