睡眠トラッカーのせいで眠れなくなる人も… 使用の際に心に留めておきたいこと

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 眠りの重要性が注目されるようになるにつれ、睡眠トラッカーの認知度が上がっている。スマホのアプリやスマートウォッチなどを通じ、手軽に睡眠の状況を記録することができる。しかし、使い方を誤ると、かえって睡眠を阻害してしまう恐れがある。

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◆気軽に睡眠を記録
 睡眠トラッカーにはさまざまなタイプが存在する。手首に装着する「ウェアラブル」のデバイスや、ベッド脇のナイトテーブルに置いておける「ニアラブル」に分類される機器などがある。脈や寝返りなどの生体データや、寝息やいびきなどの音声データを収集し、眠りの時間と質をレポートにまとめてくれる。

 一定の信頼性も期待できるようだ。米メイヨー・クリニックのトーマス・リック氏は、同医療機関による記事のなかで、「消費者向けの睡眠トラッカーは、総睡眠時間の測定をかなり正確にこなす」と述べている。推奨される睡眠時間を満たしているか確認したい場合、睡眠トラッカーの使用は理にかなっているようだ。

◆深さのレポートは参考程度に
 一方、多くの睡眠トラッカーは睡眠の深さに関するレポートも表示できるが、こちらの正確性は期待できないことが多いという。リック氏は、「デバイスによって得られる睡眠の段階に関する情報については、批判的に捉えてください」と注意を促している。どの程度深い眠りの段階にあるかを正確に測定するには、医療用の睡眠ポリグラフを使うしか方法がない。だが、市販のデバイスでこれに相当するものは存在しないと氏は指摘している。

 アメリカの睡眠専門医であるミカエル・ブレウス博士も、トラッカーの正確性を問題視しているようだ。博士は米GQ誌(4月25日)に対し、「販売されているトラッカーの多くについて検証が始まっているが、データは依然として100%正確ではない」と、ウェアラブル型など気軽に利用できるデバイスでは不正確なデータが表示される可能性があると述べている。

◆記録するとますます眠れない
 睡眠トラッカーが普及し始めたことで、「ノセボ効果」が問題となっている。ノセボ効果とはプラシーボ効果の逆で、誤った情報を信じることにより、実際には問題ないのに体調の悪化を感じてしまうことだ。ランナーのエリック・ハリソン・リドル氏はGQ誌に対し、トレーニング効果向上のためにトラッカーで睡眠を記録していたと振り返る。「初めは楽しかった」とリドル氏は言う。しかし、昨晩の睡眠は不十分だったとの分析を朝一番に目にすることで、一日の気分が沈むことも多かった。米ケースウエスタンリザーブ大学医学部のサミナ・アハメド・ハウレギ助教授は、誤って眠りの質が低いと評価された場合、それを気に病んで眠れない悪循環に陥ることもあると述べている(GQ)。

 なかには、必要以上に完璧な睡眠を追求しすぎてしまう人もいる。米ニューヨーク・タイムズ紙は、これは医学的に「オルトソムニア」と呼ばれる、睡眠への不健康な強迫観念だと紹介している。

 市販の各種睡眠トラッカーは大まかな睡眠時間の把握に適するが、あまり詳細なデータを気にしすぎないのが賢い利用法のようだ。

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Text by 青葉やまと