いつ、どの運動をするとよく眠れる? 就寝前の2時間は要注意

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 健康的な生活のためには、適度な運動が欠かせない。しかし、エクササイズのタイミングを間違えると、かえって睡眠を阻害してしまうこともあるようだ。

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◆寝る直前の運動は避けて
 これまでの研究により、運動の強度と睡眠に関連があることがわかってきた。ほどよい運動を行うことで睡眠の質が高まる反面、強度が高すぎる場合は睡眠を妨げる可能性がある。しかし、運動すべき時間帯など、運動と睡眠に関するより詳細な見識が不足していた。そこで、カナダ・コンコルディア大学の研究者たちが、過去に行われた15の実験結果を精査し、運動と睡眠の関係を洗い直した。

 分析の結果、睡眠の質を向上するためには、就寝時刻の2時間以上前までに運動を済ませることが肝要だと明らかになった。分析対象となった既存研究は、計194人を対象に睡眠ポリグラフ検査などの手法で眠りの深さを記録したほか、参加者への質問票を通じて眠りの質を評価している。これらのデータを総合すると、就寝の2時間以上前に運動を完了した人々は、ベッドに入ってからすぐに寝つける傾向がみられた。加えて睡眠時間も長くなるなど、総じて眠りの質が向上していることが確認された。この効果は、日頃運動不足気味の人々のあいだでとくに高かったという。反対に、就寝までの2時間以内に運動をしてしまうと寝つきが悪くなり、睡眠時間も短くなることがわかった。

◆神経への刺激で眠りにくく
 寝る前の運動がかえって睡眠の質を下げてしまうことがあるのは、神経が昂ってしまうためだ。米ウェイン州立大学で運動生理学を研究するタマラ・ヒュー=バトラー博士は、米ヘルス・ライン誌に対し、就寝間際の運動は「闘争・逃走反応」と呼ばれる交感神経の反応を引き起こすと説明している。闘争・逃走反応は、生命の危機を感じた場合に自然に生じる反応だ。心拍数・血圧・呼吸数を上げ、目の前の脅威と闘うか、逃走するかの準備をする。激しい運動によっても同様の反応が生じるため、眠りたい場面でなかなか寝つけないことになってしまう。眠るためには身体の深部体温を下げる必要があるが、運動で体温が上昇してしまうのも眠れない要因になる。

 米フォックス・ニュースも、定期的なエクササイズが眠りを改善するという記事のなかで、激しい運動よりも中程度の有酸素運動の方が睡眠の改善効果が高いと紹介している。ウォーキング、アクアビクス(水中でのエアロビクス)、坂道のサイクリングなどがこうした運動の一例だ。睡眠という目的においては、身体を酷使して追い込むトレーニングよりも、神経への刺激が少ない運動が適しているようだ。

◆最適な運動のあり方は
 こうしたことから、程よい運動は睡眠の質に貢献するが、就寝の2時間前までに完了しておくことが好ましいといえる。コンコルディア大の研究以外では、眠る前の3時間の運動は睡眠に影響が出やすいとも一般にいわれており、可能ならばこれ以前に済ませておきたい。

 また、激しすぎる運動も睡眠を妨げてしまう。今回の研究では運動内容も分析しており、サイクリングが最も眠りの質を高める効果が高いことがわかった。これ以外の運動も含め、時間としては30分間から60分間ほどの運動が効果を生みやすい。

 眠りたい時刻の2〜3時間前までに、サイクリングなど適度な有酸素運動を小一時間ほど行うと、心地よい疲労感を感じながらスムーズに入眠できるかもしれない。

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Text by 青葉やまと