世界競争力ランク、日本35位に後退 足を引っ張っているカテゴリとは

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◆数値データとアンケート調査の両面で実態を把握
 各国の競争力の実態は、国内総生産(GDP)や生産性などの数値指標だけで評価することが困難だ。そのためIMDは、定量的データと定性的データの両面を総合してランキングを集計している。

 評価項目は主要分野として、「経済動向」「政府の効率性」「ビジネスの効率性」「インフラ」の4つに大別される。これらの分野はさらに5つずつ、計20のサブ分野に細分化されている。具体例として順に、「国内経済、国際貿易」「公共財政、税制」「生産性と効率性、労働市場」「基本インフラ、技術インフラ」などがある。

 ランキングはこれら20のサブ項目を、それぞれを5%の重みで均等に重み付けした。重み付けを均等とすることで、万一ある項目に問題が発生した際に全体への影響を最小限にとどめることができ、複数年度にわたる調査結果の比較が容易になる、とIMDは説明している。

 サブ分野内でさらに、複数の定量的および定性的データ項目を収集しており、全分野の具体的な指標は合計336項目に上る。定量的データは、国際機関からパートナーシップを結んでいる研究所までが発表している各種データを参照したという。

 定性的データは、IMDが毎年実施する「エグゼクティブ・オピニオン調査」を取り込んでいる。調査対象国の企業に務める中堅から上位までのマネジメント職を対象に、各地の商習慣や汚職、企業体質の機敏性などをオンラインで質問した。

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Text by 青葉やまと