コロナ前の3分の1以下、ハワイを訪れる日本人 完全回復への課題は

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◆完全回復に立ちはだかる課題とは
 順調にハワイに戻ってきていると思われる日本人観光客だが、完全回復に向けた課題はまだ残っている。それは円安により為替レートが日本人にとって不利なこと、そして燃料サーチャージやホテル宿泊費の高騰である。新型コロナ前は毎年ハワイに来ていた筆者の友人も「行きたいのは山々だけど、まだ円安だから」と躊躇(ちゅうちょ)している状態だ。

 また本土からの観光客が戻ってきたこととオアフ島内では観光地域以外の民泊がほぼ禁止になっていることで選択肢が狭まり、ホテル宿泊料金が高騰しているという現状もある。そういう背景から、地元在住の日本人観光関係者によると「今ハワイに来ているのは団体客か富裕層が多い」という。もちろん高騰したのは宿泊料金だけではなく、新型コロナ後のインフレにより、食品やガソリンを含むほぼすべての費用が以前より高くなっており、以前のようにショッピングにお金を使えないフラストレーションもあるだろう。

 しかし旅行費用の高騰だけでなく、世界情勢への漠然とした不安感から、多くの人々が日本という安全な国を出て海外へ行くことに恐怖感を感じたり、海外旅行の必要性を感じなくなった心理もまた関係しているのではないだろうか。経済的な問題だけではなくその漠然とした不安がなくならない限り、ハワイの日本人観光客数が完全に回復することは難しいのかもしれない。

Text by 川島 実佳