売れる本の7冊に1冊が日本の漫画のフランス 日本風に描く現地作家も

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◆漫画とBDの違い
 元から存在するフランスのBDをも凌駕する日本の漫画。その魅力は一体何なのだろうか。

 BDと漫画の相違点として最初に目に入るのは形状だ。まず、本を開く時、表紙と裏表紙の位置がBDと漫画では左右逆となる。大きさも異なる。漫画が基本的にB6かそれより小さいのに対し、BDはA4より一回り大きい。ただし分厚いのは漫画の方で、BDのページ数が基本48ページであるのに対し、漫画は約200ページもある。BDはハードカバーでオールカラーだが、漫画は白黒で安価な紙質のペーパーバック風。その違いは値段にも出ており、BDが一冊平均14ユーロであるのに対し、漫画は7~8ユーロだ。(JDE

BD(左)とB6版の漫画コミック

 扱うテーマや内容も異なる。まず、少年漫画、少女漫画のような性別によるジャンルはBDには存在しない。漫画が扱うテーマには「自己の超越、友情、忠誠、名誉、戦闘、勧善懲悪」(同)などの決まった型があるが、BDのテーマはもっとバリエーションに富んでいる。

 さらに、BDに見られない漫画の特徴に、感情や動きが現実より大袈裟に表現されることが挙げられる。たとえば「嬉しい時に跳ね上がったり、空腹時にあり得ない量の食料を食べたり、悲しい時に何リットルもの涙を流したり」(同)といった描写が漫画にはつきものだ。動きにしても、速さを強調するため、走る人物の周りに線しか描かれないというような表現が漫画には見られる。こういった大袈裟な表現はBDではあまり見られない。

Text by 冠ゆき