アップルストアに客殺到 大統領の型破り金融政策でトルコリラ急落

アンカラの外貨両替店(11月23日)|Burhan Ozbilici / AP Photo

 トルコの通貨リラが、11月23日に15%も暴落し史上最低水準に近づいた。インフレに悩むトルコだが、大統領は金利引き下げという異例の政策を取っており、これが通貨安の進む原因とされている。政府を信頼できない市民らは、iPhoneなどの高価な商品の買い占めや安全な通貨買いに走っており、不安は募るばかりだ。

◆常識外れの政策 インフレなのに金利引き下げ
 トルコでは、中央銀行がインフレ抑制のために金利を引き下げるという異例の決定をしたため、投資家がリラを投げ売りし、新たな通貨危機に陥っている。リラは24日には安定したが、今年に入ってからその価値は40%も失われている。9月以降、金利は19%から15%へと引き下げられた。しかし10月のインフレ率は前年同月比20%にもなっている。(CNN

 トルコリラは、欧米との地政学的緊張、経常収支の赤字、通貨準備高の縮小、積もり積もった負債、そしてとりわけインフレを冷やすための利上げを拒否したことなどが重なり、2018年初めから下降線をたどっている。(CNBC

Text by 山川 真智子