欧米経済で「日本化」進行中か 欧州は17年遅れで日本と同じ道?

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 1990年代のバブルの崩壊以後、日本は長引く不景気、低成長、低金利を特徴とする「失われた20年」に突入した。政府の政策的失敗が原因とされ、2008年の世界経済危機の際には、同じ轍を踏まないようにと教訓にされたほどだ。ところがこのところ、欧州ではマイナス金利がさらに引き下げられ、アメリカも追加利下げを決定。どちらもインフレ目標が達成されない事態になっており、世界の「ジャパニフィケーション(日本化)」が心配されている。

◆17年前の日本に似ている ユーロ圏の赤信号
 ユーロ圏では、金融緩和が行われているものの低成長、低インフレが続いており、日本と非常によく似た状況だとオランダの金融グループINGが指摘している。同グループの報告書では、コロンビア大学教授の伊藤隆敏氏の日本化モデルを使い、どのぐらいユーロ圏が日本化しているかを調べている。

                                                                                                                 

 日本化モデルでは、①需給ギャップ、②インフレ率、③短期政策金利、④人口動態変化をもとに、日本化指数が出される。指数の値が低いほど「日本病」であるリスクが高い。1993年以来、日本の指数はマイナス領域に入っているが、ユーロ圏では2009年を除き、2012年までプラス領域だった。しかし、2013年から、ユーロ圏もマイナスに陥っている。

 日本の危機が始まったのが1992年、ユーロ圏の危機が始まったのが2009年と想定し、日本の1991年からの折れ線グラフと、ユーロ圏の2008年からの折れ線グラフを重ねてみると、その推移が非常に似ていることがわかった。INGは、ユーロ圏経済は過去数年で通常の成長軌道を外れ、「ある程度」日本化の域に入ってしまったと結論づけている。

Text by 山川 真智子