TPPで恩恵のカナダ、牛豚肉の日本輸出拡大 ライバルの米に対し有利に

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 アメリカの離脱後、TPP(環太平洋パートナーシップ)は残りの11ヶ国の間で、TPP11としてスタートした(一部未締結国あり)。これにより、参加国から日本に輸出される牛豚肉の関税は大幅に引き下げられる。その恩恵をとくに受けるのはカナダだとされており、世界でもっとも魅力的な市場の一つとされる日本に、大きな期待を寄せている。

◆米豪ビーフ2強に挑めるか? 関税引き下げでチャンス
 日本向け牛肉は、現在アメリカとオーストラリアが最大のサプライヤーとなっている。フィナンシャル・タイムズ紙(FT)によれば、米国産と豪州産のシェアはほぼ五分五分で、トウモロコシで育てられた米国産は牛丼に、牧草で育てられた豪州産はハンバーガーにと、棲み分けができているらしい。豪州産は、以前からの貿易協定で価格が低く抑えられていることが魅力だ。米国産は、もともと価格競争力があり、マーケティングのうまさで市場を広げてきたということだ。

                                                                                                                 

 ところがTPPにより、現在課せられている38.5%の関税が、TPP参加国には27.5%となった。これにより、TPP内の牛肉輸出国、豪、ニュージーランド、カナダと、アメリカの関税差は、11%に開いたことになる。

 このチャンスに大きな期待を寄せるのがカナダだ。これまで牛肉では米豪に押されてぱっとしなかったが、アルバータ大学のスタン・ブレード氏は、これで豪と肩を並べ、アメリカとは頭一つ抜け出した感じだとカナダの公共テレビ局CBCに述べている。

 現在カナダ産牛肉の日本でのシェアはわずか3%だが、カナダ牧畜業者協会では、10%を目指しているという。関税はその後段階的に引き下げられ、最終的には9%となるため、カナダ連邦政府の試算では、TPPにより日本向け牛肉の輸出は、金額でほぼ2倍になるされている。

Text by 山川 真智子