TPPで恩恵のカナダ、牛豚肉の日本輸出拡大 ライバルの米に対し有利に

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◆ドル箱ポークもさらに拡大 アメリカに迫る
 関税引き下げは豚肉にも適用されるため、ここでもカナダの期待は膨らんでいる。牛肉と違い、カナダ産チルド(低温冷蔵)ポークは日本市場では50年以上の歴史を持っている。カナダ・ポーク・インターナショナルのマイケル・ヤング氏によれば、味や見た目にうるさい日本の消費者を満足させることは非常に難しく、これまで仕様やパッケージサイズを変え、肉質を改良し、色や固さまで選び抜いて輸出してきたという。このような作業をするのは日本向けだけと説明するが、それほど儲かるマーケットなのだそうだ(養豚業界誌Pig Site)。

 同氏によれば、質の高い豚肉を日本に輸出することができる国は、カナダ、アメリカ、メキシコだ。今年1月には、カナダ産チルドポークの日本市場でのシェアは48%、アメリカ産は49%で、今後はナンバーワンも視野に入ってきたと自信を見せている。連邦政府の試算では、TPPにより、日本向けは金額ベースで今より36.2%増加するとされている。

◆日米二国間協定なら失速? 楽観視は禁物
 前出のブレード氏は、日本におけるカナダの農業の良いイメージは、関税が高かったころから長年にわたって築き上げられたものだとし、品質に価格競争力が加わることで、日本とのビジネスを楽観視できるとしている(CBC)。

 もっとも、カナダにとってのTPPの恩恵が、一時的なもので終わる可能性もある。アメリカはTPPから離脱したものの、日本とは二国間貿易協定を締結しようとしている。FTによれば、アメリカが日本車への関税を控えるのなら、日本は農業分野でアメリカにTPP同様の譲歩をすることを示唆している。そうなれば、カナダのアメリカに対する優位はなくなりそうだ。また、2月には日欧FTAで欧州産牛肉への関税も27.5%に引き下げられた。影響は軽微と言われているが、ライバルも増えている。

Text by 山川 真智子

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