南アフリカにおけるインパクト投資 拡大のための課題とは

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 南アフリカにおけるインパクト投資に国内外の注目が集まっている。昨年10月にインドで開催されたグローバル社会的インパクト投資運営グループ(GSG)では、南アフリカがアフリカ大陸初の参加国に承認された。

 同じく10月には、新たに設立された「Impact Investing National Task Force(インパクト投資タスクフォース)」による初の「SA Impact Investment Forum(南アフリカインパクト投資フォーラム)」がヨハネスブルグで開催された。同フォーラムでの政府、ビジネス、非営利団体や学界からの出席者による対談をもとに、南アフリカにおけるインパクト投資拡大の課題について考えてみたい。

◆投資家層の拡大
 今年2月に就任した南アフリカのラマポーザ大統領は精力的に経済改革を進めている。しかし2018年のGDP成長率が0.7%に下方修正され、失業率も27.5%と増加した南アフリカの経済は厳しい状況にある。財政赤字も今後GDP比4%に上昇するとの見通しがされている。

 そんななか、対南アフリカ投資の促進に大きな期待がかかっている。南アフリカインパクト投資フォーラムにて基調講演を行った、南アフリカ最大の銀行スタンダードバンク元CEOヤコ・マレー氏も、「弾み車を回す手段は民間セクターのみだ」と述べている。

 これはインパクト投資にも言えることで、民間企業によるインパクト投資参入が重要である。政府や財団がインパクト投資の拡大に大きく貢献した欧米と異なる。

Text by 中川沙和