7億人が大移動、国慶節祝う中国のGW 日本旅行は安定の人気

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 中国では10月1日は、建国記念日「国慶節」だ。1日から7日までは連休となり、中国のゴールデン・ウィークとなっている。今年もたくさんの人々が国内外に旅行に出かけ、民族大移動の様相を呈した。景気は減速気味と言われるが、中国人の旅行熱は全く冷めていない。

◆旅行に人気のGW 今年も経済効果大
 中国の旅行予約サイト、Ctripによれば、この時期に旅行をした人は約7億人以上と見られる。これは人口のほぼ半分に当たる。国営メディア新華社によれば、初日だけで1億2200万人が移動し、昨年より7.5%増加したということだ(ウェブ誌『クオーツ』)。

 中国では個人の休暇は限られており、もう一つの大型連休である旧正月は、主に家族と過ごすために使われる。よって国慶節の大型連休は、旅行に最適と見られているという。中国の文化観光部によれば、連休中に中国の観光名所を訪れた人は7億2600万人で、国内観光からの収益は6000億元(約9兆6000億円)と、いずれも昨年から9%以上の伸びを記録した(CNBC)。海外旅行も人気で、サウス・チャイナ・モーニング・ポスト紙(SMCP)は、国内のみならず世界の旅行産業にも大きな経済効果をもたらしているとしている。

◆観光客で名所は大混雑 高速道路も動かず
 クオーツによれば、国内の観光地で人気が高かった場所は人で溢れ返った。万里の長城で最も来訪者の多い八達嶺では、初日だけで昨年より40%増の3万7000人を記録。国営放送が「とてつもなくぞっとする」レベルと表現するほどの混雑だったという。北京の庭園公園として有名な頤和園には、1日で約12万人が押し寄せたため、入場制限が行われた。ショッピングエリアとして人気の北京の外灘もすし詰め状態で、市が兵士や警官を派遣して人間の壁を作り、観光客が勝手に道路を渡れないようにしていたという。

 連休中は通行料が無料になったことから、高速道路も大渋滞した。数時間動きのとれない車から飛び出し、太極拳やバスケットボールを始める人もいたという。中国全土で16万人以上の警官が動員され交通整理が行なわれたということだ。

Text by 山川 真智子