中国の「ごみ輸入禁止」で世界が混乱 迫られるリサイクル制度の変革

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◆リサイクル制度崩壊? 各国が対応に苦慮
 CNBCによれば、中国に最も廃棄物を輸出しているのはアメリカ、イギリス、EU、日本で、中国の規制はすでに各国に影響を及ぼしている。

 ウォール・ストリート・ジャーナル紙(WSJ)によれば、アメリカはリサイクル用古紙とプラスチックを世界一排出する国だ。これまで選別の雑な資源ごみでも中国は引き受け、アメリカ向けの輸出品を運んだ中国のコンテナ船は、さまざまなごみを積み込んで帰路に就いた。

 ところが、中国は今年から廃棄物受け入れ規制を導入した上に、5月初旬からアメリカからのリサイクル用廃棄物の受け入れを、6月4日まで停止する措置に出ている。これによりアメリカのリサイクルコストは上昇し、回収業者の利益も激減しているという。アメリカの家庭から回収された資源ごみは行き場を失い、当面の間、多くの資源ごみは埋め立てられることになるという。また、コストの上昇分は住民に転嫁される可能性もあり、リサイクル産業自体が機能停止の危機にあるとWSJは述べている。CNBCによれば、アメリカは中国に規制の撤回を求めているが、中国は応じないとしている。

 CNNによれば、オーストラリアでもリサイクルの余力がなくなり、資源ごみが埋め立てられているという。イギリスでも、中国が輸入を禁止した低級廃プラスチックが山積みになっており、いずれ焼却される見込みだとしている。

 中国税関のデータによれば、プラスチック、古紙、金属を含む中国の廃棄物の受け入れは、2018年の第1四半期で54%も減った。代わって同時期にベトナム、マレーシア、タイなどでの廃棄物の受け入れは激増しているが、専門家はこれらの国だけでは中国の穴を埋めることはできないと見ている(CNBC)。

◆今こそゴミ問題を考えよ。各国は持続可能な制度構築を
 グローバルなリサイクル制度の崩壊を危惧する声がある一方、グリンピース東アジアのリュウ・フア氏は、中国の規制をポジティブに受け止め、「目に入らなければ忘れる」というゴミに対して取ってきた我々の態度を変えるチャンスになるとしている。同氏はまた、規制が投資家たちを先進国におけるリサイクル・ビジネスに参入させるためのよい機会にもなるとしている(CNN)。

 シンガポール国立大学のローレンス・ロー准教授は、長期的には廃棄物の問題は自国内で解決すべきだと述べる。次のゴミ捨て場となる国を探すのではなく、ゴミを減らす努力をすべきだという同氏は、先進国は持続可能な活動を通し、ゴミを出すことに責任を持つべきだとしている(CNBC)。

Text by 山川 真智子

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