中国の「ごみ輸入禁止」で世界が混乱 迫られるリサイクル制度の変革

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 中国はこれまで、各国から輸入した廃棄物をリサイクルしてきた。しかし中国政府は、2018年1月1日よりプラスチックや紙類などを含む24タイプの資源ごみの輸入を禁止。4月には、さらに16品目の廃棄物の輸入禁止を発表した。中国の方針転換により、資源ゴミの処理を中国に頼ってきた国々ではリサイクル・システムが破たんしかねない状況だ。

◆世界のゴミ箱返上。中国、環境への影響を懸念
 CNBCによると、輸入規制が取られるまで、中国は世界のゴミの半分以上の廃棄場所になってきた。成長する製造業をさらに伸ばそうと、中国では1980年代に、廃棄物受け入れが始まった。以後中国の廃棄物処理とリサイクル産業は大きく成長したが、不適切なゴミの扱いや効果的な監督の欠如のために、中国は主要な汚染国になってしまったとCNBCは指摘している。

 中国は今や世界第2位の経済大国となり、環境保護への取り組みも改善している。中国外交部の華春瑩報道官は、廃棄物の輸入規制は環境と国民の健康を改善するためだとし、すべての国が、海外からの有害物質やその他の廃棄物の受け入れを禁止する権利があると説明している(新華社)。

Text by 山川 真智子