実在した黒人侍「弥助」奴隷から信長の家来になった数奇な人生 海外で映画化も

Wikimedia Commons

◆初の外国人侍、誕生
 この時までに入国から3年が経ち、弥助は日本語を少し話せるようになっている。アフリカとインドの土産話を信長は多いに楽しみ、二人のあいだに急速に絆が育まれてゆく。こうして弥助は信長の大のお気に入りとなった。

 信長は武士の身分(士分)を与え、弥助を外国人としては初の侍に登用した。さらに、わずか数ヶ月のうちに安土桃山城内で居所と使用人を与え、腰刀の帯刀を許している。食事をともにする限られた家臣たちの仲間入りも果たしており、その扱いはまるで家族同然だったとも言われるほどだ。

 ボディーガード役を期待された弥助は、実際に一度、信長とともに出陣している。1581年、宿敵・武田信玄の配下にあった伊賀に対し、信長は4万から6万人ほどの軍勢を率い襲撃を仕掛けた。織田軍はこの戦で勝利を収め、その帰路、富士の南側の裾野を行く弥助の姿が現地の人々に目撃されている。

次のページ 重責担った本能寺の変




Text by 青葉やまと

Recommends