トランプ支持者の陰謀論の標的になるテイラー・スウィフト トランプ氏から牽制も

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◆トランプ「テイラーに金儲けさせてやった」
 テイラー・スウィフトは2020年10月、ツイッター(現X)やインスタグラムで、民主党のジョー・バイデン氏とカマラ・ハリス氏の名前が入ったクッキーを焼いた写真を掲載して2人の支持を表明。それ以来、同性愛者やマイノリティの権利を支持し、リベラルな思考を持つテイラーの政治的指向が変化した兆しはない。しかしそれを牽制(けんせい)するために茶々を入れてきたのが、ドナルド・トランプ氏である。

 トランプ氏は以前「私はテイラー・スウィフトよりも人気がある」と発言してひんしゅくを買ったことがあるが、今回はスーパーボウルの前に自分自身のプラットフォーム「トゥルース・ソーシャル」に「私はテイラー・スウィフトとほかのアーティストたちのために(2018年に)『音楽近代化法(Music Modernization Act)』に署名した。ジョー・バイデンはテイラーのために何もしていないし、今後もしない」「彼女が我が国で最悪で最も腐敗した大統領の不正直なジョー・バイデンを支持して、彼女に大金を稼がせた男を裏切るはずはない」という投稿をした。

 現時点ではトランプ支持者がテイラーの陰謀論で騒いでいるため、おそらく彼女はここで政治的発言をすることは避けるだろう。しかしいったん騒動が収まれば、テイラーのファン層であるミレニアルとZ世代の若年層に投票を促すため、前回と同じく10月頃までにバイデン大統領支持を表明するのではないだろうか。

Text by 川島 実佳