本家・西洋も魅了する洋食 お得意の「日本化」で庶民の味に

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 ハンバーグ、カレー、ナポリタンにトンカツ。160年前に開国した日本が、西洋料理を真似て作ったのが洋食だ。庶民の味、家庭の味として親しまれ、日本の食文化のなかに確固とした地位を築いた。近年は外国人観光客にオムライスが人気となり、イギリスではトンカツの代わりにチキンカツを乗せたカツカレーが流行るなど、伝統的な日本料理と並び洋食が外国人を魅了している。これまで西洋ではあまり知られなかったその歴史を、海外メディアが紹介している。

◆開国で誕生、西洋に追いつけ
 BBCは、洋食の歴史は1853年に浦賀にアメリカのペリーが来航した後に始まったと解説する。ペリーの要求を飲んで開国後、江戸幕府は倒れ、日本は近代化を目指す明治時代に突入した。当時の日本は欧米に比べ貧しく未発達で、長く肉食も禁じられていた。栄養不良気味だった日本人は、背が高くがっしりした西洋人を見て、強く健康的になるためには西洋の食べ物を食べるべきだという考えに至り、西洋料理への興味が広がっていった。

 一方当時日本に駐在した欧米人の多くは植民地時代特有の態度を取り、日本料理を避けた。彼らは日本人の料理人を雇い、それぞれの母国の料理の作り方を教えた。ところが次第に料理人たちはオリジナルのレシピに日本的なアレンジを加え始め、これが洋食の誕生につながったとされている。(同)

Text by 山川 真智子