本家・西洋も魅了する洋食 お得意の「日本化」で庶民の味に

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◆日本人お得意? 地元食材で工夫
 米軍の準機関紙、星条旗新聞は、輸入した西洋料理の高価な材料を、地元の安価なものに変えた料理が洋食だと述べる。日本人はしばしば外国文化を地元文化とミックスしてローカライズするが、洋食がそのよい例だという日本の食文化の専門家のコメントを紹介している。

 たとえばスパゲッティ・ナポリタンは、戦前に横浜のホテルのレストランが出していたスパゲッティ・アラ・ナポリターナがもとになっている。戦後の食糧不足で、ホテルの料理人がトマトソースの代わりに進駐軍のおかげで豊富だったケチャップを使用。玉ねぎ、ピーマン、ハムを加えたものがナポリタンとなり、日本中に普及した。日本人が作るナポリのパスタは、実はアメリカの味だったと同紙は述べている。

 BBCは、多くの人がおなじみの洋食の起源に気づいていないとし、トンカツはミラノ風カツレツやオーストリアの肉料理シュニッツェルとそう変わらないと述べる。ハンバーグは、実は牛ひき肉に玉ねぎやパン粉を混ぜて焼いたアメリカ発祥の肉料理、ソールズベリー・ステーキに似ているという。

 カレーはインドを支配したイギリスからもたらされ、カレーライスとして日本に定着した。そのカレーを西洋のドーナツと合わせたのがカレーパンだとニューヨーカー誌に寄稿した作家のブライアン・ワシントン氏は説明する。1927年に東京のパン屋カトレアで発明されたものだが、北米で食べられるジャムを詰めたジェリー・ドーナツのしょっぱい版だと形容している。

◆ご飯に合う一品、いまや日本独自の料理
 BBCは、洋食はもともと裕福な日本人向けの食べ物だったが、手ごろで簡単に作れることから、戦後どこの家庭でも食べられる庶民の味になったと述べる。星条旗新聞は、ロールキャベツ、メンチカツ、オムライスなどのレシピが家庭で受け継がれており、ほかの伝統的料理と同様に箸を使って食べられていると説明している。

 ニューヨークで洋食店を営むジョセフ・ムーン氏は、洋食はアジアと西洋が融合した料理だが、アジアの主食である米とよく合うと述べる。西洋料理は重いとアジア人には感じられるが、アジアの食材と合わせることで中和されるとしている。いまや本場の味にも負けない西洋料理が日本で食べられる時代だが、白いご飯に合うことが日本に定着した理由の一つかもしれない。(BBC)

 日本の食と文化に詳しい文筆家のトム・ダウニー氏は、洋食はその起源から長らく離れており、すでに日本のものだと指摘。また作られたころからほとんど進化していないにもかかわらず高い人気があることに驚いている。皿の上のパセリの茎にまで気を遣うほどクオリティを求めるところも日本的だとしながらも、そこが洋食の面白いところだとしている。(同)

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Text by 山川 真智子