欧米で空前のガーデニングブーム インスタ世代のトレンドにも

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 コロナウイルス感染の拡大で、欧米ではこの春多くの国々でロックダウンが実施された。外出が制限され仕事も在宅となり、時間を持て余した人々が始めたのはガーデニングだった。予想を上回る盛り上がりが続いており、各所にさまざまな影響を与えている。

◆癒しと食料確保? 庭に向かった人々
 英フィナンシャル・タイムズ紙(FT)は、3月にコロナウイルスが世界に広がったことで、ガーデニングの世界に異変が起きたと述べる。英政府が人の動きを制限し始めると、植物の種や園芸用品のセールスが跳ね上がった。イギリスではロックダウンの間に、ガーデニングがテレビ視聴の次に人気のアクティビティに昇格。オンライン上では種や肥料についての質問が飛び交い、園芸ユーチューバーの人気は急上昇、ガーデニングアプリの新規会員登録も前年比で大幅増となった(FT)。

 カナダでも、春にガーデンセンターや種を販売する会社のセールスが急増し、ブームは続いている。地元大学が全国で行った調査によれば、51%の人が少なくとも1種類の野菜か果物を育てていると回答したという。そのうち17.4%は初心者ということで、パンデミックがきっかけだと研究者たちは見ている。リラックスするため、運動のためという理由のほかに、食糧不足、食の安全、価格高騰の懸念から、家庭菜園を始めた人が多いということだ(加ナショナル・ポスト紙)。

Text by 山川 真智子