欧米で空前のガーデニングブーム インスタ世代のトレンドにも

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◆ブームの影響続々 意外な品不足も
 空前のガーデニングブームで、さらに予期せぬ出来事が起きている。米ネブラスカ州のラジオ局、KNEBによれば、アメリカで最も長く続いているローカル製作のガーデニングTV番組『バックヤード・ファーマー』の人気に突如火がついた。視聴者からのメールは多い週で240通にもなり、寄せられる質問は昨年の5割増しということだ。番組のYouTubeチャンネル視聴数は900万回を超え、68年の歴史における大事件となっている。通常アメフトシーズンが始まる9月初めには番組終了となるが、今年はシーズンの遅れもあり10月初めまでの延長が決定。ファン、スタッフともども大喜びだ。

 カナダでは、家庭菜園でとれた野菜や果物を加工保存する人が急増し、メイソンジャーと呼ばれる蓋つきガラス瓶が品薄となっている。とくに困っているのが、ジャムやピクルスなどを製造・販売する企業だ。瓶が手に入らないため、商品生産に支障が出ているという。一般の人々からすれば、手塩にかけて育てた作物を無駄にしたくないのが心情だが、瓶を使わない冷凍などの方法にも目を向けてほしいと専門家は呼びかけている(ナショナル・ポスト紙)。

◆インスタ世代と相性抜群? グリーンはトレンドへ
 ガーデニングは年配者の趣味というイメージが強いが、コロナ禍で広い世代に広がった。とくに若者によるガーデニングが増えていると英テレグラフ紙が伝えている。

 ao.comの調査によると、ミレニアル世代の66%が、ロックダウン中に庭仕事をする時間が増えたとしている。王立園芸協会によれば、同協会のウェブサイトへの訪問は、18歳から24歳では533%、25歳から35歳では123%アップしていた。同協会の科学ディレクター、アリステア・グリフィス氏は、ガーデニングが受け入れられた理由として、心身の健康に加え気候変動への懸念を上げる。より多くの人、とくに若者に、緑を育てることがソーラーパネルと同じような「グリーンインフラ」と受け止められ、解決策にはならずとも、小さなヘルプとして認識されたためだとしている(テレグラフ紙)。

 若者のガーデニング人気は、ファッションの世界にも影響を及ぼしている。ウォール・ストリート・ジャーナル紙によれば、庭仕事の際に着る「Garden Gi(ガーデン着)」と呼ばれるパンツと着物風ジャケットのセットが人気だという。330ドル(約3万5000円)と作業着としては高額だが、インスタグラムに取りつかれた若者世代のホットな趣味として、ガーデニングが浮上してきたことを表している。

 高級ブランドのディオールやフェンディなども次々とガーデニング・ファッションに参入している。ボッテガ・ヴェネタからは650ドル(約6万8000円)のゴム長靴まで登場。素材や染料に天然を打ち出すブランドもあり、グリーンな都会派を狙ったビジネスは過熱しているようだ。

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Text by 山川 真智子

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