マーティ・フリードマン「だから日本はクール」 米メディアに語る日米の音楽観の違い

Hiroshi Yamazaki / Wikimedia Commons

 80年代アメリカで音楽活動を開始し、2003年に東京に活動の拠点を移したロック・ギタリスト、マーティ・フリードマン。90年代にメガデスのメンバーとしてヒット曲を量産した彼は、相川七瀬やももクロなど著名アーティストのサイドマンを務めたり、ライター業やテレビ出演もこなす。2019年1月からの全米ツアーが決定したマーティが、日本への印象をアメリカの音楽サイトなどに語った。

◆日本のメタルに感激
 日米両方の音楽カルチャーに精通するマーティは、日本のメタルが音楽シーンのメジャーな一角を成していることを歓迎している。氏が音楽サイト『Blabbermouth.net』に語ったところによると、アメリカではジャンルが明確に分かれており、メタルはアンダーグラウンドな扱いを受けることが多い。一方日本ではマキシム ザ ホルモンのように極めてメジャーなバンドがあり、メインストリームの一部になっている。そのCDがマライア・キャリーの横で売られていたり、ファミレスでスレイヤーくらいヘビーなスラッシュメタルがかかっていたりする。その裾野の広さに、「だから日本はクールなんだ」と思わずにはいられないという。他ジャンルとの融合も日本のメタルの特徴で、例えばアイドル・ソングの一部にヘビメタが取り入れられていることも多い。

 同サイトの別記事でマーティは、ミュージシャン像にも違いがあると指摘する。アメリカでは、授業に出ずに紙飛行機を飛ばしているような若者が、女の子の気を引きたくて始めるようなことが多い。長髪のならず者というイメージで、それがロックンロールのスピリットでもある。日本ではルックスも良く、きちんと学校に通っていて、すでに彼女もいるような子たちがバンドを組むことが多く、それが意外に感じたとのことだ。アングラなアメリカのメタルよりも、日本のメタルは大衆に受け入れられている傾向があるようだ。

Text by 青葉やまと