7歳の「おもちゃユーチューバー」が玩具化 登録者1600万超の絶大な影響力

AP Photo / Richard Drew

 ライアン君がここまでたどってきた、幼き「おもちゃマスター」としてのサクセスストーリーは、昨年、彼の父親がポケットドットウォッチ社と契約したときに始まった。ポケットドットウォッチは、複数のユーチューバーとタイアップして、衣料品、書籍、その他の製品をPRする創業2年の企業である。しかしその中でも、多数のフォロワー向けに独自の製品ラインナップを持つに至ったのは、ライアン君が初めてだと同社は述べている。

 先月ウォルマートは、カラフルなスライム(ゲル状の粘土の一種。価格は4ドル)、5インチサイズのライアン君アクションフィギュア(9ドル)、フライドポテト形のふわふわトイ(18ドル)を、「ライアンズ・ワールド」の商品としてリリースした。ウォルマートは、Tシャツやぬいぐるみなど、ライアン君グッズの一部ラインナップを独占販売している。

 しかしながら、子供たちがそれらの新製品を買うかどうかは、「すべて、そのおもちゃ次第」だとシルバー氏は述べ、おもちゃの流行は、子供たちが他の子におもちゃを見せびらかす場所である公園や学校の遊び場で作られる、とも付け加えた。

 ライアン君の人気を支えるのは、多数の固定視聴者層、フォロワーたちだ。彼のユーチューブページは1,600万人以上の視聴者によってフォローされている。例えば、「ライアンズ・ワールド」のおもちゃを探してライアン君自身がウォルマートの通路をめぐり歩く動画は、月に約1,000万回の視聴回数を記録。ウォルマートのおもちゃ部門を統括するアン・マリー・ケホーエ氏によると、アーカンソー州のその店舗には、ライアン君が跳ね回ってはしゃぐ姿をひと目見ようと、数千人の人々が訪れたと語った。

 電話インタビューの中でライアン君は、そこでは多くの人が彼の写真を撮ろうとしていたと話した。その後、ライアン君は電話を離れて遊びに行った。

 電話を引き継いだライアン君の両親は、ライアン君は1週間のうち約90分をユーチューブの動画製作に費やしていると語り、両親2人も、悪魔の双子バージョンのライアン君フィギュアなど、いくつかのおもちゃ製作に関わったことを明らかにした。

「ライアン独自の視点に、私もいつも驚かされます」と父親のシォン氏は話す。

 ポケットドットウォッチの創業者でCEOのクリス・ウィリアムズ氏は、今後ライアン君に関しては、ケーブルテレビ会社のニコロデオンが人気アニメ「スポンジボブ」をフランチャイズ化したのと同様の販売戦略を想定している。

 しかし、スポンジボブはあくまでマンガのキャラクターだが、現実の男の子であるライアン君は、これからどんどん成長する。ウィリアムズ氏は、ライアン君の好みの変化にあわせて製品ラインナップも進化させることを考えているという。ライアン君の両親もその点は同意見で、彼の成長にあわせて好みが変化しても――例えばテレビゲームが好きになったりしても――特に問題はないという。

「誰もが年とともに変わっていきますからね」と、父親のシォン氏はコメントした。

By JOSEPH PISANI, AP Retail Writer
Translated by Conyac

Text by AP