7歳の「おもちゃユーチューバー」が玩具化 登録者1600万超の絶大な影響力

AP Photo / Richard Drew

 弱冠7歳のライアン君。彼はこれまで、ユーチューブのおもちゃレビューで何百万もの視聴回数を稼いできた。その彼が、なんと今度は自分自身を「おもちゃ化」してしまったのである。

「ライアンズ・ワールド」のブランドの下、ウォルマートはライアン君のアクションフィギュアや、パッケージにライアン君の顔をデザインした粘土など、いくつものおもちゃを販売している。子供達がタブレット端末を使う時間がますます増えている中で、ユーチューブ上でライアン君が手にしたおもちゃを子供たちが欲しがるのは、極めて当然と言えるだろう。

 多くの小売りチェーンが、冬のクリスマス商戦に向けて様々な販売戦略を打ち出してくる。そんな中、この新たなおもちゃのラインナップは、事業破綻したおもちゃ小売チェーン「トイザらス」の顧客層をウォルマートが取り込むために一役買うかもしれない。

 小学1年生のライアン君がユーチューブ向けの動画製作を始めたのは、今から3年前のこと。今や彼は、おもちゃ業界に大きな影響力を持つ人物となった。ライアン君が作るビデオクリップの典型的なパターンは、彼がおもちゃを箱から出し、それで遊び、最後に視聴者に向けて手を振ってサヨナラを言う、という構成である。最も視聴回数が多いのは、ライアン君がプラスチック製の巨大なイースターエッグを集めてまわる動画で、視聴回数は15億回以上を記録した。

「今やライアン君は有名人です。多くの子供たちが、彼のビデオを見て楽しんでいます」そう語るのは、おもちゃレビューサイト『TTPMドットコム』の編集者、ジム・シルバー氏だ。シルバー氏によると、ライアン君のビデオに登場するおもちゃの売り上げが、軒並み急上昇しているという。

 その影響力があまりに大きいため、すでに複数のおもちゃメーカーがライアン君とその両親と契約し、自社商品を取り上げるよう依頼を出している。フォーブス誌は、ユーチューブの「ライアンのおもちゃレビュー」のチャンネルが、昨年1,100万ドルで買収されたと報じた。一方両親のシォン氏とロアン氏は、その件についてはコメントせず、ライアン君の契約金額についても口をつぐんだ。一家はまた、プライバシーと安全上の理由から、名字も住所も公表していない。

Text by AP