370億円が消えた!? ビットコイン大手取引所Mt.Goxで全ての取引が停止状態に
仮想通貨ビットコインの大手取引所マウント・ゴックス(Mt.Gox)のウェブサイトが25日、利用できなくなった。今月7日からシステムの不具合を理由にビットコインの引き出しを停止していたが、今回は全ての取引が当面できなくなっている。
同社は取引停止の理由について、「ウェブサイトおよび利用者を守るため」と発表するにとどまり、詳しい原因はいまだ不明のままである。
これに際し、ビットコインの取引を扱う他の6社が共同で「Mt.Goxの顧客を裏切る行為は同社の無責任な運営によるものであり、ビットコインや仮想通貨業界の価値とは無関係である」と発表している。
【以前から指摘されていた技術的問題】
フォーブス誌によると、”Crisis Strategy Draft(危機における戦略)”と題された漏洩文書に、サイバー攻撃の詐取によって74万4000BTC (BTC=ビットコインの貨幣単位) が消失したとの記載があるそうだ。この問題が起きる直前の「1BTC=約500ドル」を基に想定すると、約3億7000万ドル(約370億円)が消えたことになる。
同誌によると、このようなハッキングによる詐取は、既に以前から問題が指摘されていた。プロトコル内の“transaction malleability(トランザクション展性)” と呼ばれるバグにより、顧客の引き出しができなくなる問題が2011年から存在し、開発者の間では設計上の脆弱性として知られていた。前出の漏洩文書によると、今回の詐取も、このトランザクション展性が原因と見られているらしい。
6社共同の声明には「新興産業において除去すべき悪因子がでてくるのは起こり得ること」とあると同誌は伝え、新しい業態の抱える技術的問題と信頼の脆さに問題を見ているようだ。
【規制がないのが問題とも】
一方ウォール・ストリート・ジャーナル紙は、ビットコインに関する法規制がないことが問題だと指摘する。
青山学院大学法務研究科のカール・フリードリッヒ・レンツ教授は、「今回の件で、預金を請け負うならライセンスが必要であることが証明された」と同紙に語る。
それなのに日本は、中央銀行も、財務省も、銀行の見張り番である金融庁も、みなビットコインの管理には後向きだ。本件については、いずれも自分たちの管轄外である旨を宣言している。このような「無法地帯」の状態こそ、投資家をいっそう窮状に追い込んでいる、と同紙は伝えている。
【未だ正体不明な開発・運営陣】
またCNNは、現状システムを運営している人物達が金融ビジネスのプロではないことに問題を見ている。ビットコインのATM「ジェネシス」代表のエヴァン・ローズ氏は「彼らは、価値もリスクも把握しないまま、このデジタル・プロジェクトに飛び込んできたに過ぎない素人」と語る。
しかし、英ガーディアン紙の経済記者、フィリップ・イマン氏は「それでもビットコインは姿を変えて戻ってくる」と言う。同氏によると「頭は良くても対人スキルの低い連中が、てっとり早くボロ儲けする手段を他に見つけるまでは、ビットコインは続くだろう」との見解を示している。
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