原因は『仮想通貨取引』 1170億円仲介の違法薬物サイトが野放しだった理由

 米連邦捜査局(FBI)は2日、匿名の利用者が仮想通貨ビットコインを使って違法薬物などを購入することができるインターネット上の売買サイト「シルクロード」を閉鎖した。同サイトを運営していたロス・ウィリアム・ウルブリヒト容疑者(29)を麻薬の不法取引、コンピューターへの不正侵入、マネー・ローンダリングなどの容疑で逮捕。360万ドル(約3億5000万円)相当のビットコインを差し押さえた。

 捜査当局によると、同容疑者は2011 年1月に闇サイト「シルクロード」を開設。違法薬物をはじめ、書類の偽造やATMへのハッキング方法、殺人などの犯罪行為も取引されていた。

 徹底した匿名性と仮想通貨を組み合わせたこのサイトにFBIは、「インターネット上で最も精巧で、大規模な犯罪マーケットプレイス」と述べ、数千人の麻薬売人がこのサイトを通して数百キロもの違法薬物を売っていた。

 同サイトは、世界中から90万人以上が利用登録しており、これまでに12億ドル(約1170億円)に上る取引を仲介し、8000万ドル(約78億円)以上の仲介手数料を得ていた。

【決済に使われたピットコインとは】
 同サイトの売買には資金の流れが追跡されにくい仮想通貨「ビットコイン」が利用されていた。ビットコインとは、円やユーロ、米ドルなどと簡単に交換でき、ネットショッピングしたりサービスを受けたりできるオンライン上の仮想通貨である。

 実際のお金とビットコインを交換するには、ビットコイン専門の取引所で行う必要がある。取引所大手のマウントゴックス(MTG)によると、MTGの利用登録者数は57万人おり、米国人36%、英国人7%、日本人に至っては約1650人と1%にも満たないようだ。

 最近メディアは、ビットコインの人気が高まっていることを報じていたが、今回の事件で負の一面が浮き彫りとされた。金融機関を通さずP2P方式で取引されるため、匿名性が高いためである。

 ウォールストリート・ジャーナル紙によると、米国の規制当局はすでにビットコインに着目しており、1万ドル(約100万円)以上の取引については記録しているという。

【日本でのウェブ上の違法薬物販売】
 匿名掲示板サイトで有名な「2ちゃんねる」でも、違法薬物売買が行われていた。神奈川県警によると、容疑者らは2011年4月から11月の間に4,500人に覚せい剤など密売し、約140万ドル(約1億1000万)を売り上げていた。違法薬物のネット販売事件では過去最大規模である。この事件で逮捕された10人の大半は宮城県出身であり、動機に「震災後、仕事がなった」と供述している。

 Kotakuでは、欧米ではドラッグは日常茶飯事であるが、「日本は一見、ドラッグとの関連性が薄そうに見えるが実はそうではない」と警鐘を鳴らしている。

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Text by NewSphere 編集部