ネットフリックス、ナイキのトレーニング番組を開始 新開拓で目指す継続成長

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◆2022年第4四半期は好調
 新型コロナウイルスのパンデミックに伴う人々のライフスタイルの変化によって、ネットフリックスに代表されるストリーミング・サービスへの追い風が継続し、ネットフリックスは2021年のすべての四半期で売上高2桁成長を続け、順調に有料会員数の純増を記録してきた。しかし、2022年は売上高の伸びが落ち込み、会員数が20万人の純減という第1四半期の結果で始まった。同社は、売上高の落ち込みの要因として、そもそもネットフリックス会員のターゲット市場であるブロードバンド完備の環境という市場規模の拡大に対しては直接的に働きかけることができないこと、家族や友人の間でのアカウントシェア、ユーチューブ、アマゾン、ディズニー・プラスといった競合他社の参入によって競争が激化したことなどを挙げた。

 その後、第2四半期も有料会員数は純減したが、第3四半期では241万人純増、直近に発表された第4四半期では同社事前予想の450万を大幅に上回る766万人純増という結果を記録した。成長をけん引したのは欧州・中東アフリカ地域で320万の純増となった。2022年末時点のネットフリックスの有料会員は全世界で2億3075万人だ。

 2022年第4四半期の売上高の伸び率は1.9%に留まったが、同社は今後引き続き売上高の成長にフォーカスし、継続的な2桁成長を目指すとしている。昨年11月にリリースした広告付きの低価格プランの展開を2023年第1四半期以降さらに拡大し、売上高のドライバーにしていく狙いだ。

 今回の業績報告とともに、宅配DVDレンタルのサービスとして25年前にネットフリックスを共同創業したリード・ヘイスティングス(Reed Hastings)がCEOの座を退き会長になるということが発表された。今後、新しい経営体制下で同社の新ジャンル参入やパートナーシップが今後どのように展開していくのか、引き続き注目したい。

Text by MAKI NAKATA