「低価格・広告付きプラン」を導入するネットフリックス、ディズニープラス

カリフォルニア州ロスガトスのネットフリックス本社|Marcio Jose Sanchez / AP Photo

 ネットフリックスは7月13日、マイクロソフトと提携して、広告付きのストリーミングサービスを始めることを発表した。一方、ディズニープラスも先日、広告付きサービスの開始を発表。サブスクリプションモデルの成長の限界を受け、新たな事業モデルの模索が続く。

◆ネットフリックスの新プラン
 ネットフリックスは、今年の4月に既存の3つの料金プランに加え、新たに広告付きの新プランを導入することを発表。7月13日には、同社はマイクロソフトをグローバルな広告のテクノロジーおよび販売パートナーに選んだことを報告した。同時に発信されたマイクロソフト側の発表では、今回の新プランの導入は、消費者に新たな選択肢を提供するもので、マイクロソフトを通じて広告を出したい企業にとっては、ネットフリックスの視聴者へのアクセスを可能にするものだとした。また、ネットフリックス上の広告は、すべてマイクロソフトのプラットフォーム上のみで存在する限定的なものであるとのことだ。同社の第2四半期の業績報告レターおよびインタビューによると、広告付きの新プランは来年初頭に導入開始される予定。すべての市場において一斉に導入するのではなく、広告費が大きい市場からスタートする。また、消費者の反応を見つつ、改善を加えながらロールアウトをしていくと同社は説明している。

 広告付き導入の背景には、ネットフリックスの会員数の減少、パスワードシェアによる機会損失、ストリーミングサービス市場における競争の激化などといった課題がある。今回、マイクロソフトが広告付きサービスのパートナーとして選ばれたことにより、マイクロソフトによるネットフリックスの買収可能性もあるのではないかという憶測も持ち上がっている。ネットフリックスのCOO兼チーフ・プロダクト・オフィサーのグレッグ・ピーターズ(Greg Peters)は、業績報告のインタビューにおいて、マイクロソフトは、広告展開におけるパートナーであり、現状はそれ以上でもそれ以下でもないといったような見解を示した。また、ネットフリックスの広告付きサービスは、既存のテレビの広告とも根本的に異なるものだと主張した。

Text by MAKI NAKATA