メタバース空間で「リアルな」語学学習 Immerse(イマース)が提供するVRプラットフォーム
◆バーチャル・リアリティが語学学習に生み出すメリット
イマースは、こうしてバーチャル空間内でできる語学学習の可能性を、技術開発と合わせて進めていった。最初に彼らのプログラムを導入したのは、学校ではなく大手企業。語学研修を行うということ以上に、バーチャル空間を利用して、物理的や心理的に距離を持った人たちのコミュニケーションの機会を創出し、チームビルディングの研修場所として利用したのだという。
その後語学学習についても、専門家と研究を進めるなかで、彼らが提供するVR(仮想現実)学習環境を日本の私立高校や大学が導入し始めた。パンデミックのなかで2021年、メタ社が販売するVRゴーグル「メタ・クエスト」の公認アプリに導入されたイマースは、一気にその名が知られるようになっていく。
コロナ禍で、世界中が「オンライン・レッスン」へ傾倒していったが、イマースが用意するバーチャル空間と、ZOOM(ズーム)やTEAMS(チームズ)のような通常のオンラインプラットフォームを使ったものと大きく異なる点は、その「リアル感」だ。
たとえば、空港での荷物検査のやりとりや、カクテルパーティーでの対話のシーン。広い会場でプレゼンテーションを行う場合といったように、「具体的なシーン」に合わせて、先生や生徒が衣装を変え、小道具を使うことで、よりいっそう現実的なシチュエーションを構築。そこで必要な会話や対話を学ぶことで、より実践的な言葉を学ぶことが可能だ。
さらに、「分身(アバター)」を使うことで、普段の自分とは違う自分を装うこともできる。アバター効果によって普段と違う自分を思い切り演出することができ、人によっては現実世界では控えめだけど、バーチャル・リアリティの世界では思い切った自己表現ができる人もいるという。