ロシアに残りたくても残れない 企業の事業停止が加速した理由

モスクワ郊外のイケアに殺到する人々(3月3日)|Vladimir Kondrashov / AP Photo

 各国政府はウクライナを侵略するロシアに対し、厳しい経済制裁を科しているが、西側企業も続々とロシアでのビジネス閉鎖に自主的に踏み切っている。経済的損失はかなり大きいはずだが、かつてないスピードでロシア脱出の動きが加速しており、企業に「正しさ」を求める消費者からのプレッシャーが大きく影響している。

◆有名ブランドも閉鎖続々 外国製品が消える
 ロシアのウクライナ侵攻が始まってから、300社以上が店舗の閉鎖、スタッフの移動、商品の販売停止を発表した。人気ファッションブランドから外食産業まで、営業を停止する発表が続出。映画配給会社も新作の上映を止め、IT関連各社も自社製品の販売を取りやめた。食品から衛生用品まで、生活必需品を供給する多国籍企業も追随し、ロシア市場と距離を置き始めている。

 イエール大学のジェフリー・ソネンフェルド教授のチームがビジネス閉鎖や撤退を決めた企業のリストを公表してから、ロシア離れはさらに加速した。同教授はアメリカと同盟国の経済制裁と協調し、企業もロシアに圧力をかけることが大切だとCBSに話している。

Text by 山川 真智子