ホンダ新型シビック タイプR 「まるで道路が……」米誌揃って感嘆のアップデート

 米技術メディアのCネット(5月21日)も、「タイプRの標準となっている2モードのアダプティブ・バンパーが、引き続き傑出したドライブ品質に寄与している」「このシビックは、最もソフトとなるコンフォートモードでは路面のほとんどの粗さを吸収し、重要な特性だけをボディに伝えており、驚くほどスムーズである」と滑らかな乗り心地を絶賛している。

♦︎パフォーマンス問題に対応
 新型では、従来の弱点を克服する試みが取り入れられている。これまでのシビック タイプRは、連続走行時に出力が低下する問題を抱えていた。モーター・トレンド誌は、1周約2.6キロのコースを周回した際、2周目のラップタイムが0.5秒、3周目では1秒ほど落ち込んだと指摘している。これは動作温度を下げるため、自動的に出力が調整されているためだ。

 この課題を克服すべく、新型はフロントグリルを大型化し、エンジンの冷却効率を高めている。ただしこの変更には副作用もあり、Cネットはダウンフォースの低下につながると見ている。ラジエーターの改良とともに大型化したフロントグリル開口部から大量の空気を取り入れることで冷却効果を向上したが、これまで車体上部を流れていたエアフローがグリル内に逃げることでダウンフォースが弱まり、グリップ力が低下してしまう。ホンダとしてもこの点は認識しているようで、フロントスポイラーの形状を再調整することで負の浮力を確保している。

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Text by 青葉やまと