ミミズが生ごみを堆肥に お洒落コンポスト、オーストリア発エコビジネス

(c)wurmkiste.at

◆堆肥の収穫は年に2~3回
 ミミズは繁殖するが、木箱の中で快適でいられるように自ら判断するため、増え過ぎることはないという。万一増え過ぎてもワームシステムズ社が買い取ってくれる。好環境ならミミズは7年生きる。

 1年に80~200リットルの生ごみを与えて、15~30リットルの堆肥ができる。堆肥の取り出しは年に2,3回で済む。ミミズがいるのにどうやって堆肥を取り出すのだろうか。堆肥ができるプロセスを見てみよう。

 木箱の中は2層になっている。下5分の1に受け皿があり、上5分の4とは網で仕切られている。受け皿はプロセスで出てくる水分(液肥)をキャッチするためだ。必要なものがワームシステムズ社から届いて最初にすることは、自分で段ボール(木箱の梱包材を使ってもいい)や新聞紙を用意して細かくし、水に浸して柔らかくしたら、木箱の網の上に敷くことだ。そこへ土とミミズを入れる。乾燥を防ぐため、付属のヘンプ(麻)マットを土とミミズの上にのせる。ミミズが木箱の中で落ち着くよう3日間はそのままにしておく。その後、生ごみはマットをめくって土の上に置く。そしてミミズが生ごみを食べる。

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 1ヶ月後、付属の緑色のバスケット(網目状に穴あり)を土とミミズの上に置く。この時点で、1ヶ月分の堆肥は土に混ざっている。今度はバスケット内に生ごみを置く。ミミズはバスケットの穴を通って生ごみにたどり着く。生ごみを与え続けると、バスケットに堆肥がたまっていく。4~6ヶ月するとバスケットが堆肥でおおよそいっぱいになるので、バスケットを木箱から取り出す。木箱内にたまった堆肥をすくって取り出す。これで振り出しに戻った状態になり、改めて段ボールや新聞紙を敷き、バスケットからミミズと堆肥を木箱内へ移して、上の手順を繰り返す。

 なお、旅行などで2~3週間留守にする場合は、1週間分の生ごみと段ボールや新聞紙を入れ、乾燥しないように水をスプレーしておけば大丈夫だという。4週間以上なら、誰かに頼んで世話をしてもらう必要がある。

◆キッチンに置く人が多い
 同社では購入者に定期的にアンケートを取っている。木箱をいまどこに置いていますか、という質問に100人が答え、キッチン46%、ダイニングルームまたはリビングルーム21%、バルコニー23%、その他10%という結果だった。

「毎日、生ごみを与えるのが楽しい」「ミミズがどんなものが好きなのかを知りたくて、自分の食事が変わった(これまで食べなかった野菜や果物を食べるようになった)」「子供がとても喜んでいる」「木箱という点もいいし、素晴らしい商品だ」という喜びの声が届いている。

 ひと昔前なら、ミミズを売って飼ってもらうビジネスはうまくいかなかったのではないか。自分たちで日々実践できることはしてみよう、というエコ意識の高さが広まっていることを改めて実感する。

Text by 岩澤 里美

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