スーパーカーのSUV:ロールスロイスなど続々と高級SUVが登場

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 2018年現在の最高級SUVと言えばベントレー・ベンテイガだ。エクステリアおよびインテリアはコンチネンタルGTのそれ。パワーユニットも6リットルW型12気筒ツインターボエンジンと、まさにコンチネンタルGTのSUV版といえる内容だ。

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 このあたりはヨーロッパメーカーらしく、どのタイプのクルマを乗っても「ベントレー」とひと目で感じさせるようなブランドデザインがされている。人によっては「ロールスロイス・カリナンとベンテイガが高級SUVの双璧をなす」と言うかもしれない。しかし、それは大きな間違いだ。

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 そもそもベントレーはスポーツカーメーカーであって、かつてのロールスロイス傘下にあった頃とはクルマのキャラクターはまったく異なる。ベンテイガはスポーツ性を前面に出した高級SUVなのである。

 スポーティSUVと言えばマセラティ・レヴァンテとランボルギーニ・ウルスだろう。いずれもスポーツカーメーカーとして名を博しているだけに、見た目もスペックもスポーティだ。

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 マセラティ・レヴァンテは3リットルのV型6気筒ディーゼルエンジンとV型6気筒ツインターボガソリンエンジンをラインアップ。それぞれにハイパワー仕様を設定しているため、4タイプのエンジンを選ぶことができる。駆動方式は4WDのみと近年増加しているオフロード性能を廃した2WDのSUVと一線を画している。それゆえ砂漠で行われた試乗会では、高いパフォーマンスを示したという。

 インテリアは、高級車メーカーらしく風合いのあるレーザーを駆使し、アナログ式時計がダッシュボード上にセットされているのは、まさしくマセラティのそれだ。

 しかし、これから紹介するランボルギーニ・ウルスと比べ、マセラティ・レヴァンテはシックな印象を受ける。それは色合いもあるのだろうが、シートの縫製や各部のステッチの入れ方にあると思う。さり気ない豪華さを求める人にはピッタリだろう。

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 ランボルギーニにとってウルスは、軍用車として登場したチータ、その後1980年代に製造していた機動車両LM002以来のSUVとなる。
ウルスが当時のSUVと大きく異なるのが、まったく泥臭さは感じられないクーペフォルムであることだ。むしろアヴェンタドールなどといったスーパーカーのSUV版といっても過言ではなかろう。そのような印象を与えるのは、3分の2がボディ、3分の1がウインドウという同社のスポーツカーデザインの比率を採用しているからだという。

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 搭載エンジンは4リットルV型8気筒ターボ。駆動方式はもちろん4WDだが、アヴェンタドールなどで培ってきた4WDシステムをさらに進化させている。オプションでオフロードモードや砂漠モードを備えることも可能。そこまでオールラウンド性能を追求しているといえるだろう。

 インテリアは、まさしくアヴェンタドール。センターコンソールなど各部は、スペースが広いSUVゆえ余裕があるが、エアコンの吹き出し口のレイアウトなどドライバーズシートに座った瞬間、「ランボルギーニ」と華麗なスポーティ感がある。

Text by 小野 真人